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「墨堤さくら餅屋」
作品解説
裏返しの幟を読めば「長命寺 さくら餅」の文字。描かれているのは、江戸中期から今も続く老舗菓子屋が店を構える隅田川沿いの向島。明かりを灯した馬車が行く淡彩の風景の中に、楚々とした和装の佳人が引き立ちます。関東大震災以降、急速に失われゆく江戸の風俗をより精力的に研究し、多くの考証画を残した晴雨。本作でも古今、そして和洋の移り変わりが趣深く描き出されています。
伊藤 晴雨(いとう せいう)
明治15(1882)東京~昭和36(1961) 日本画家。大正末期まで静雨と号す。野沢堤雨に師事し琳派を学ぶ。様々な新聞社で挿絵などを担当した。関東大震災後、沢田正二郎の新国劇に加わるなど、劇界でも活躍した。責め絵や幽霊画などの風俗画家として広く知られる。
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