「威尼斯図」
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サイズ53.6×40.0(130.6×52.5)cm
素材絹本油彩
備考落款
幸田露伴箱
「川村清雄氏喜寿記念洋画展覧会」(三越、昭和4年)出品、同目録所収
少々シミ
作品番号A2-97-075
作品解説
明治9年に古典的な絵画技法を学ぶため移住したヴェネツィアの風景は、生涯を通じて描かれた画題です。水路で暮らす人々の営みに取材した作品が数多く遺る中、本作では広々とした海上から街を望んでいます。鮮やかな帆が水面に反射して画面に明朗な雰囲気を与える一方、船乗りの視点から 遠景の教会を眺める構図は、若き日を過ごした異国の地に抱くノスタルジックな心情を感じさせます。本作と非常に類似した下図が江戸東京博物館に遺っています。
川村 清雄(かわむら きよお)
嘉永5(1852)江戸~ 昭和9年(1934)奈良 洋画家。幼名は庄五郎、諱は修寛(ながひろ)。通称清兵衛、号に時童。7歳で住吉派の絵師住吉弘貫に入門した後、南画家の田能村直入、江戸にて春木南溟に師事する。その後開成所にて高橋由一らに西洋画法を学ぶ。勝海舟の庇護を受け、明治4年渡米、画家を志す。翌年渡欧し、ヴェネツィア美術学校にてヴェネチア派の巨匠に学ぶ。帰国後、明治22年、明治美術会創立に参加、解散後は巴会を結成する。油彩画の技術を極めながらも画題や構図、支持体に日本画的精神を取り入れた作風を見せる。明治洋画の先駆者の一人である。作品に《少女》《かたみの直垂》など。
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