2005-07-31日本美術そうだったのか通信
Vol.56 <日本美術そうだったのか通信>

□■□■  「日本美術そうだったのか通信」 Vol.56
発行 有限会社アートオフィスJC・秋華洞
http://aojc.co.jp/  アートオフィスJC
http://www.syukado.jp/ おんらいんぎゃらりい秋華洞
現在発行部数5,555通(独自配信2,010  まぐまぐ 3,497 melma!48)
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<本マガジンの説明>
日本美術の鑑賞界のホットニュース、古今国内東西の作家のエピソード、美術業界
裏話など、日本美術をより楽しむための情報をお届けします。
アートオフィスJC・秋華洞提供。
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二週間のご無沙汰であります。

アートオフィスJC・秋華洞の田中千秋です。

ごめんなさい、カタログの作成・発送で手間取っておりまして、メルマガを
お出しすることができないでおりました。この間、登録していただいてお待
ちいただいた方も含めまして、大変失礼致しました。
(この間の事情は下記のブログをご参照ください…。)
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p0ztz0e8xqyugf0s

と、話題がそちらにいきましたので、まずは「カタログ誌『秋華洞’05夏号』」
のご紹介から行きたいと思います。

http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p00tz0e8xqyugf1s

渾身の力をこめて作りました。今回は全点数が31点(前回、04年秋号は
15点程度でした)、しかもウェブ未掲載(掲載予定のないものも含めて)
の作品が6点ございます。

ウェブ未掲載(今のところ、カタログ誌のみの掲載)作品は、以下のとおり
です。

・江戸時代絵巻物(貴重なものです)
・与謝野晶子の二作品
・松林桂月軸装作品
・岡倉秋水作品
・武者小路実篤軸装作品

そのほか、今回のカタログならではの、作品解説「田中千秋のそうだったの
かガイド」、「日本美術そうだったのか通信エクストラ第一号」の二つのオマ
ケがついて、なんと無料!でご進呈でございます。

すでに配布は開始しておりますが、カタログの仕上げや印刷も非常に丁寧に
仕上げておりますし、何よりも作品の力がありますので、非常に好評です。

インターネット、パソコンに普段さわらない、お友達の方へも、ぜひプレゼ
ントしてあげてください。2部以上ご希望の方、ご遠慮なくお申し付けくださ
い。(以下のフォームで部数の指定が出来ます。)

カタログ誌『秋華洞 2005夏号』申し込みフォーム
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p01tz0e8xqyugf1s

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鑑定マニュアル配布の第一陣終了のお知らせ
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『書画・鑑定マニュアル』の第一回印刷分500冊の配布は、お蔭様で終了致
しました。

今回、思った以上にご好評をいただきました。本当にありがとうございました。
(皆さんの感想についてはこちら)
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p02tz0e8xqyugf1s
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p03tz0e8xqyugf1s

次回以降の印刷分については、実費程度の有償配布も検討しておりますが、価
格、配布方法については未定です。

次回配布開始のご予約は以下のURLからです。
●●「書画・絵画鑑定マニュアル」第二回配布予約受付
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p04tz0e8xqyugf1s

予約をいただいた方には、増刷が出来次第、配布または販売のご案内をさせて
いただきます。
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最近の雑誌・マスコミへの掲載
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■日経流通新聞(日経MJ誌)

やや、ご紹介が遅きに失した感はありますが、7月15日の金曜日、日経流通
新聞(日経MJ誌)上にて、「おんらいんぎゃらりい秋華洞」を採り上げて頂
きました。

当店はご存知のとおり、30日間返品保障制度を設けておりますが、この点を
ニュース性があると判断していただいたようです。

具体的な記事は以下のとおりです。

秋華洞・マスコミへの掲載紹介ページ
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p05tz0e8xqyugf1s

■月刊美術の窓 生活の友社 8月号
新刊書籍案内のコーナーで、『書画・鑑定マニュアル』についてご紹介してい
ただきました。これは白黒印刷のコーナーですが、さりげなーく記事になって
います。探してみてくださいね。

ちなみに、この号には当店「おんらいんぎゃらりい秋華洞」のカラー広告が雑
誌の冒頭口絵部分に掲載されております。これもがんばってクリエーターの人
たちと一緒に製作しました。当店の特長をなるべく多く説明したので、くどく
なることも心配しましたが、全体として、はなやかな仕上がりで、ちょっと目
を引くと思います。こちらも是非ご覧になってください。

参考:美術の窓ホームページ(記事・広告はウェブサイトには載っていません)
http://www.tomosha.com/books/mado/newest.html

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今週の入荷情報
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■鹿児島寿蔵『比々奈乃哥』 (かごしまじゅぞう・ひいなのうた)
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p07tz0e8xqyugf1s

やさしい、やわらかい書体です。

かきだしの「つやつやと」が、まさに光って見えます。

それもそのはず、この書の作者、鹿児島寿蔵は、人形作家なのです。

福岡県出身の鹿児島寿蔵は、紙塑人形という独自の工芸世界を創造しました。
作品写真を参照するとわかるのですが、非常にかわいらしいが、かわいいだけ
でない味と、たしかな技術力に裏打ちされた造形力がうかがえます。寿蔵は重
要無形文化財、いわゆる人間国宝に指定されています。

さて、一方、寿蔵は正岡子規を心の親玉とする歌人が集った「アララギ派」の
歌人でもありました。そうした創作活動から生まれた一句です。

「つやつやと面(おもて)まどかにてりあひて比々奈は如何にかたりあひけむ」

つやつやと顔がやさしく輝きあって、お雛様たちは何をかたりあっているのだ
ろう、という意味でありましょうか。

人形たちへの愛情が優しく歌われたうたですね。この軸のある床の間に、一対
のお雛様のある風景など、好ましく思えます。

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆
おまけコラム【白洲正子】

最近、白洲正子という方の存在を意識しております。

私は、恥ずかしながら、彼女のことを近頃知ったものですが、この方の生き方
の魅力というものを、書物を通して、しばらくはたどってみようと思っていま
す。

知らない方のために簡単に紹介しますと、この女性は当代きっての「目利き」
の女性として評判のかたでありまして、古美術の道を進もうと思えば、彼女の
名前に行き当たる存在でありましょう。

詳しくは彼女が暮らした家がそのまま保存公開されている「武相荘(ぶそうそ
う)」のウェブサイトへどうぞ。
http://www.buaiso.com/hito/masako/masako.html

で、その著作で最初に読んだのが「心に残る人々」ですが、チョットびっくり。

※秋華洞・丁稚ログの日記にも書きました。
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p09tz0e8xqyugf1s

いくぶん若かりし頃(40代)の彼女が、当代一流の芸術家、批評家、政治家
のもとに、ふだん着のきさくさで訪れて、そのときの会話・観察をリポートす
る、というような展開なのですが、まあ兎に角、率直の上にも率直。歯に衣着
せぬ。

まずは、取り上げられた人の名前を目次から順に挙げていくと。

小林秀雄・梅原龍三郎・田村秋子・井上八千代・勅使河原蒼風・浜田庄司・・

まあ、私が「驚く」というのは、私の常識的な観念がそうさせるのではありま
す。つまり、わざわざ時間を割いてあっていただいた方のことを悪く書いては
申し訳ない、あるいは、世間的なつきあいを断たれてしまうような事をしては
都合が悪い。

ところが、この方のこの「訪問記」を読むと、そんなことには一向に頓着して
いない。どんな大家であれ、その方の生き方の面白いところ、深いところ、茶
目っ気のあることろは大いに共感するが、一方で相手の皮相的なところ、見栄
はりなことろ、嘘つき、は看破して、その場で相手にぶつけるか、その場では
言葉に出来なくとも、文章の中では「やっつけて」しまいます。

私の感覚では「これは強者のやることだ」と思いました。つまり、何を言おう
とも、相手を刺そうとも、許される、経済的・文化的基盤のある人がやること。

これは薩摩藩の有力者・樺山伯爵家の娘であり、白洲二郎という庇護者があっ
たということを直感の背景としています。

けれども、こうも思います。そういう強い立場があったって、同じ事を出来た
人が他にいるだろうか。あるいは、自分がたとえ殺されたって、言うべきこと
を言って生きる生き方じたいは、今までもあっただろう。

ま、そんなことを思ったりしながらも、しかし彫刻刀でグイッグイッと鋭くえ
ぐったような彼女の文章は、相手の人柄を見事に浮き彫りにして、「生きるこ
と」と「芸術すること」がどう重なるのかを、曖昧さを排して見せ付けていき
ます。「小説」という形式をとらずに、体でぶつかって、こういうエッセイあ
るいは批評を織り出すというのは、やはり並みの力量とは思えず、興味を押し
留めることができません。

・・・ええー、メルマガの文章は長いと嫌われます。書き出すと書きたいこと
が出てきますが、本日はこの辺で。何よりも冒頭のカタログを、よろしくお願
いいたします。ぜひともご友人・知人にお渡しいただければ幸いです。喫茶店、
診療所、店舗などのレジ横にさりげなく置いていただくなども大歓迎です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

※特集(天田愚庵その3)は今週はお休みさせていただきました。

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最後までお読み頂き有り難うございました。

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東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
代表取締役 田中自知郎・田中千秋
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アートオフィスJC・秋華洞のご案内

主に日本の美術品・古美術品を中心に、幅広く取り扱っております。

近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
まで、あらゆる分野で活躍した画家・高僧・武将・文人・歌人・俳人の手に
よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
対応致します。

弊社は平成15年に設立、平成16年に開店致しましたが、50年近く美術業界
で活躍した代表・田中自知郎が息子・田中千秋と共に新たに設立致しました。

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