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「春窓美人(画帳の一葉)」
作品解説
柔らかな眼差しが追うのは一匹の白い蝶。その香に誘われて、蝶が付き従い舞い遊んだと伝わる長安の美姫、楚連香の姿を見立てたのであろう。円山、四条派が得意とし、松園自身も度々描いた唐美人の画題である。しかし本作では、明清時代に好まれた「円窓仕女図」を踏襲した構図に、画家の中国古画研究の成果を十分に匂わせながらも、佳人は勝山髷を結ったいかにも愛らしい和美人として描き出されている。顔はわずかに微笑みを浮かべ、観者さえその妙なる香りで魅了しているようだ。
上村 松園(うえむら しょうえん)
明治8(1875)京都~昭和24(1949) 日本画家。本名津禰(つね)。鈴木松年、幸野楳嶺、竹内栖鳳らに師事。《花がたみ》《序の舞》をはじめ、女性ならではの視点で描く清澄な美人画を数多く遺した。帝国芸術院会員、文化勲章受章。
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