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「牧童」
作品解説
牛に乗り暢気に笛を吹く童子は、禅の悟りを図解する画題『十牛図』のうち、悟りを体得した段階の「騎牛帰家」を範にとったのだろう。牛が水中へ前足を踏み入れんとするゆっくりとした仕草は、画題の源泉である江南の光景を思わせ、帰途にある童子の穏やかな表情と共に牧歌的な雰囲気をたたえている。用いられた号から、画家が応挙と名乗り全盛を迎える直前の作。表情や仕草の描写もさることながら、点描を用い、少し筋張った牛の肉付きを表現する技巧には、すでにその片鱗がうかがえる。
円山 応挙(まるやま おうきょ)
享保18(1733)丹波~寛政7(1795) 絵師。円山派の祖。本姓は藤原、後に源。名は岩次郎、後に主水。別号に一嘯、夏雲、仙嶺、洛陽仙人など。石田幽汀に師事し狩野派の画風を学ぶ。写生を重視し、客観的な描写で伝統的な画題を用いた動植物画を能くする。また西洋画の遠近法を取り入れ一家を成した。著名な弟子には呉春や長沢芦雪など。
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