特集 どうぶつアート#01
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本企画の作品は、令和2年9月23日(水)~9月30(水)の期間
銀座ぎゃらりい秋華洞にて展示いたしております。

ご来廊お待ちしております。

※画像か、作品詳細はこちら をクリックで、「作品紹介購入お問い合わせページ」に移動します。
※浮世絵、現代作家作品などは、【浮世絵ぎゃらりい秋華洞】【SHUKADO CONTEMPORARY】サイトに移動します。

虎や象など今では動物園で目にする動物たちから、馬や牛、犬のような日々の営みと密接したものまで、日本の美術には種々な動物たちが見出だせます。
堂々と、あるいは愛らしく表された彼らを鑑賞することは素晴らしい楽しみです。
そして、主題とされた動物たちは無作為に選ばれたのではなく、背景には何かしらの意味や文脈が託されていることも多くあるのです。
愛でることだけではない、画中や造形に込められた物語や真意に目を向けることでより一層魅力を増す!美術の中に生きる動物たちの姿をご案内します。

どうぶつアート#01 作品一覧はこちら

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― 猛然かつ神妙 ―
橋本関雪「狼」
橋本 関雪「狼」 価格はお問い合わせください
橋本 関雪「狼」 価格はお問い合わせください

江戸時代では、狼は夜道を行く人の後をつけてくる妖怪の一種に喩えられていました。
人々から恐れられる存在であった狼ですが、一方で火事や盗賊から人を守る神として信仰を集めていました。
本作の狼は、骨の隆起が目立ち、口を歪ませて唸り声を出すなど、物恐ろしげです。
しかし同時に、霞がかった三日月に白く照らされる様子は、霊妙さをも湛えています。
狼の荒々しさと、神秘性という二面性を巧みに融合させた表現が魅力的な作品です。

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― 戦後の陶芸界を震撼させた造形 ―
鈴木治の干支シリーズより
鈴木治「戌」 価格60,000 円(税込)
鈴木治「戌」 価格60,000 円(税込)

京都五条坂、永樂善五郎工房の轆轤職人の家に生まれた鈴木治は、若くして父宇源治より轆轤を教わります。
戦後、同じく京焼の産地五条坂周辺の若手陶芸家である八木一夫や山田光らとともに前衛的な陶芸家集団「走泥社」を結成しました。
使用を目的としない立体的な純粋造形を追求した走泥社は、日本の陶芸界において画期的な存在と目されており、近年高い評価を受けています。
鈴木治は自らの作品を「泥像」、「泥象」と呼び、動物や自然現象を主題に火と土によって探求し続けました。
赤褐色の焼締と青白磁の作品群はそのものらしさを失うことなくデフォルメされ、愛玩すべき造形美が認められます。

「戌」の作品詳細はこちら

「亥」の作品詳細はこちら

「辰」の作品詳細はこちら

鈴木治「亥」 価格60,000 円(税込)
鈴木治「亥」 価格60,000 円(税込)
鈴木治「辰」 価格60,000 円(税込)
鈴木治「辰」 価格60,000 円(税込)
― 現代に生きる龍虎 ― 
中村宗弘「竜虎図」
中村 宗弘「竜虎図」
中村 宗弘「竜虎図」 価格200,000 円(税込)
中村 宗弘「竜虎図」 価格200,000 円(税込)

龍と虎の組み合わせは、それぞれ水を司るものと風を司るものとして、また力の拮抗した好敵手の象徴としてよく知られた画題です。
虎の頭が後方へと振り返る姿は狩野派の作品にも見られ、龍の顔もやはり古画に則ったものです。しかし、虎の背後の岩肌は動物園を思わせ、龍は緻密な鱗と対照的に簡潔な輪郭線が目立つなど親しみやすさを憶えます。
洗練され、デザイン化した縞模様や稲妻に現れるようにまさしく今様の龍虎図です。

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― 若き応挙の目指した写生による禅画 ―
円山応挙「牧童」
円山 応挙「牧童」 価格はお問い合わせください
円山 応挙「牧童」 価格はお問い合わせください

牛に乗り暢気に笛を吹く童子は、禅の悟りを図解する画題『十牛図』のうち、悟りを体得した段階の「騎牛帰家」を範にとったと思われます。
牛が右前足を上げて川へと踏み入ろうとする様は、画面全体にゆったりとした雰囲気をもたらしています。
また、背を向けた牛の体は、骨格と量感が墨による柔らかな陰影で以て強調され、毛並みのうねりが細緻な筆致の集まりによって表されます。
応挙の初期作品ながら、その写生に対する志向性が牛の清新な表現へとつながっています。

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― 早逝の画家晩年の静寂 ―
菱田春草の牧童図
菱田 春草 作品詳細、価格等はお問い合わせください
菱田 春草 作品詳細、価格等はお問い合わせください

牛に乗る牧童の姿は、和漢の画題で、「世の中が静かな姿」の象徴とされます。
春草はこの画題を雪景色の中に採用しました。静けさのなか、ゆったりと歩を進める牛の、雪を踏みしめる音だけがかすかに聞こえてくる情景は、牧童の象徴する太平の世の静けさと共鳴しているようです。
晩年、春草は病の苦しみにさらされていたのでしょう。
しかし本作品の上では静寂と平穏を生み出しています。
春草の堅牢かつ穏やかな精神性も感じられる作品です。

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― 赤い馬はふるさとの魂 ―
海老原喜之助「馬小屋(出発の時)」
海老原 喜之助「馬小屋(出発の時)」
海老原 喜之助「馬小屋(出発の時)」 価格はお問い合わせください
海老原 喜之助「馬小屋(出発の時)」 価格はお問い合わせください

画面いっぱいはちきれんばかりに描かれた赤い馬は生命力の象徴のように存在感を放っています。
馬は海老原にとって生涯に渡って重要なモチーフでした。
子供の頃から馬好きで、幼いときに馬車に轢かれた経験が海老原を馬に執着させているのだと自ら語っています。
荒いタッチで描かれた本作は、最晩年パリで描かれた赤い馬の連作のひとつとみられます。
薩摩育ちの彼は、九州の色を赤、パリの色を白と言い表しました。
この赤い馬は、パリに生き、そこで描く九州人の自らであり、最期まで燃え盛る創作へのエネルギーの塊なのでしょう。

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― 佳人と幼気な愛らしさの対照 ―
歌麿「美人と犬 夏の宵」
歌麿「美人と犬 夏の宵」 価格450,000 円(税込)
歌麿「美人と犬 夏の宵」 価格450,000 円(税込)

腿と脛の太さがほとんど変わらない下肢の表現は歌麿美人らしい、そして夏姿ならではのあでやかな色香を醸し出すとともに、流水のように上から下へ視点移動を促します。
そうして彼女の足元を見やると、そこにはコミカルな表情の子犬が。
美人の艶麗さに対して、子供のいかにも楽しそうなわんぱくな動きや、子犬たちの少し滑稽な愛らしさが対照的な作品です。

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― 動物集合、大盛況の世界的サーカス ―
「世界第一チャリネ大曲馬並大獣苑」
世界第一チャリネ大曲馬並大獣苑
世界第一チャリネ大曲馬並大獣苑
世界第一チャリネ大曲馬並大獣苑
世界第一チャリネ大曲馬並大獣苑 価格155,000 円
世界第一チャリネ大曲馬並大獣苑 価格155,000 円

初めて外国のサーカスが来日したのはアメリカのリズリー・サーカス一座が横浜で興行した1864年で、71年にはフランスのスリエ・サーカスが、そして86年の明治19年に渡来したのが、本作に表されたイタリアのチャリネ曲馬師のサーカスです。
ゾウやトラ、ライオンの芸や、様々な色の馬による西洋曲馬、軽業など豊富な芸を一同に介して楽しませるサーカスの形態は、それまで芸種別に興行を行っていた日本の見世物に対して新鮮で迫力があり、大人気となりました。

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― 情感と表現の豊かな秋の景色 ―
徳岡神泉「秋趣」
徳岡 神泉「秋趣」 価格450,000 円(税込)
徳岡 神泉「秋趣」 価格450,000 円(税込)

赤く色づいた実を持った蔓草が伸びて垂れた先には二匹の栗鼠がいます。
蔓性の植物は一家が子供に恵まれて永く続くよう祈念して、多産の栗鼠も子孫繁栄の象徴として吉祥の意味合いがあります。
しかし、一般的に栗鼠とともに描かれる葡萄ではなくここでは烏瓜のような赤い実が選ばれ、秋の情趣を色濃いものとしています。
墨と絵具の滲みや掠れの応用によって、朽葉や栗鼠の毛並みの質感が見事に捉えられ、伝統的な画題としてではなく目の前にある詩情を湛えています。

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― 小品に満ちるゾウの孤独 ―
野見山暁治「『独りボッチの象』より」
野見山 暁治「『独りボッチの象』より」 価格450,000 円(税込)
野見山 暁治「『独りボッチの象』より」 価格450,000 円(税込)

大きな体を床に横たえる、一頭の象の姿。形も輪郭もはっきりとはせず画面に溶け込まされ、巨大な象はさながらひとつの山のように捉えられています。
筆使いと構図の大胆さは、かえって象のざらついた質感を際立たせているようです。
象という巨大な生き物の、その大きさゆえに醸し出される哀愁と、一頭だけであることの寂寞が巧みに捉えられた作品です。

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― 江戸の諧謔性が見える見立てによる一幅 ―
伝 礫川亭永理「見立普賢図」
伝 礫川亭 永理「見立普賢図」 価格はお問い合わせください
伝 礫川亭 永理「見立普賢図」 価格はお問い合わせください

普賢菩薩の騎乗する動物として知られる白象、しかしここでその上に腰掛けるのは豪奢な衣装を身に纏った遊女です。
このような卑俗な存在を高雅な対象に擬えて描く見立ての技法は日本の絵画、殊に浮世絵においては常套手段でした。遊女の尻に敷かれた象は、それを象る線は震え、目元は緩んで皺を寄せ、口も薄く開き、アクが強く卑近な印象を受けます。
江戸の人々の諧謔的趣味の溢れた一幅です。

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― 愛くるしい犬ころたちと応挙の円熟味 ―
円山応挙「狗子図」
円山 応挙「狗子図」 価格はお問い合わせください
円山 応挙「狗子図」 価格はお問い合わせください

伝統的に吉祥画として描かれていた犬に、応挙は写生の要素を取り入れ、子犬の愛らしさに焦点を当てました。
特に様式の確立以降は、白犬にはあどけなさを、茶白の斑毛にはやや活発な性格を与えていることが多くあります。
本作でも、じゃれ合う兄弟犬の役回りだけでなく、簡潔な輪郭線と丹念な毛並みとの使い分けによっても、両者の異なる性質が描出されています。
対象の魅力を強調する表現と的確な形態描写は、最晩年における円熟味に加えて、清新さをも感じさせます。

 

― 高貴な狐たちが集う聖なる夜 ―
広重「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」
広重「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」
広重「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」 価格はお問い合わせください
広重「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」 価格はお問い合わせください

大晦日の夜半、王子稲荷神社近くの大榎(装束榎木)の下に狐火をともした狐たちが集まっています。
関東中から集まったこの狐たちは、榎木を高く飛んだ順に官位を決め、宮廷命婦の衣装に着替えて元旦に神社に参詣するのです。
この榎木はかつて実在し、大正時代には装束稲荷神社から王子稲荷神社まで狐の仮装をして行進した記録も残されています。
深い濃紺の空と輝く星々が、神聖で幻想的な雰囲気をさらに高めています。

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― 月が見ていた狐の悲しい物語 ―
芳年「月百姿 吼噦」
芳年「月百姿 吼噦」 価格350,000円(税込)
芳年「月百姿 吼噦」 価格350,000円(税込)

タイトルの「吼噦」(こんかい)は狐の鳴き声と、狂言の「吼噦」(釣狐)に由来します。
昔、多くの家族を猟師に殺された老狐がいました。
彼は狐狩りをやめさせようと、猟師の伯父である僧侶、白蔵主に化け、日本、そして中国でいかに狐が崇められてきたか、そして狐の恨みがいかに恐ろしいかを話し、説得に成功します。
しかしその帰り、狐は猟師の仕掛けた油揚げの罠に自らかかってしまうのです。
月明かりに照らされた枯れすすきの道を振り返る狐の表情は、この世の憂いに沈んでいます。

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― 江戸の英雄スペクタクル ―
芳艶「佐藤政清虎狩図」
芳艶「佐藤政清虎狩図」
芳艶「佐藤政清虎狩図」
芳艶「佐藤政清虎狩図」
芳艶「佐藤政清虎狩図」 価格160,000 円(税込)
芳艶「佐藤政清虎狩図」 価格160,000 円(税込)

豊臣秀吉子飼いの家臣、加藤清正の朝鮮虎退治が描かれています。
他の武将が槍や剣で応戦する中、清正は剣を抜かず、両手を大きく広げて威嚇し、堂々たる風格です。
背後に控える竹も、清正の動きに呼応するかのように身を揺らし、勢いのある構図を生み出しています。
対する虎は、凄まじい形相で大きく体をくねらせ、激しい咆哮を轟かせます。
剣をも恐れずに立ち向かう様子は、虎の勇猛かつ豪胆無比な姿を見事に表しています。
虎の勇猛さと荒波立つ闇夜の中、猛虎と名将との戦いがまさに始まろうとする瞬間を切り取った、緊張感溢れる作品です。

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― 徳高きたぬきの、もう一つの逸話 ―
芳年「新形三十六怪撰 茂林寺の文福茶釜」
芳年「新形三十六怪撰 茂林寺の文福茶釜」
芳年「新形三十六怪撰 茂林寺の文福茶釜」 価格85,000円(税込)
芳年「新形三十六怪撰 茂林寺の文福茶釜」 価格85,000円(税込)

「文福茶釜」の物語は、釜から狸の手足が生えるというおとぎ話がよく知られますが、本作は茂林寺の縁起に基づいて描かれています。
代々の和尚に仕えた老僧、守鶴が茂林寺で千人法会が催された際、沢山の来客をもてなすため湯が尽きることのない不思議な茶釜を用意します。
守鶴はそれを福を分け与える「紫金銅分福茶釜」と名付け、その釜の湯を飲めば8つの功徳を授かるとしました。
後に正体が狸であることがばれ、守鶴は寺を去りましたが、今でもその茶釜は茂林寺に残されています。

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― 声なきものたちの静謐なミステリー ―
柿沼宏樹「アオギリの山羊」
柿沼 宏樹「アオギリの山羊」 
柿沼 宏樹「アオギリの山羊」 

この作品は、古典絵画や古代遺物に着想を求め、間接的に現代を捉えようとするシリーズである。
最近一貫して絵に登場する人型の鶏は、謎多き民族として名高い古代メソポタミア、ウル王朝の調度品「ウルの牡山羊」をモチーフにしている。
手に持つアオギリの葉は広島の平和記念公園にある被爆したアオギリの木が元となる。
窓の外には福島の一本松を置き、時代を超えてより日本を浮き彫りにしようと試みている。
山羊には身代わり、生贄として背負わされた贖罪を重ねているが、未来志向、決して悲劇とならないよう、祈るように構図はレオナルド・ダ・ヴィンチの聖母子像から引用し、全体の構成や窓の外にはフィリッポ・リッピの「聖母子と天使たち」からも着想を得た。
それでも座っている椅子は国会の議長席、何かをジャッジするようなイメージもある。
ここまで書いておいて身もふたもないかも知れないが、どこか笑える喜劇でありたい。(柿沼宏樹)

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― 迫りくる山羊の群衆。遍在するリアル ―
柿沼宏樹「Ubiquitous」
柿沼宏樹「Ubiquitous」
柿沼 宏樹「Ubiquitous」
柿沼 宏樹「Ubiquitous」

「多様性」と「矛盾」をテーマに、画中を練り歩くように筆を運ぶ。届かぬ声を紡ぎたい。
選んだモチーフは大勢の山羊の来迎図。彼らの背負った贖罪、または我々の日常、それらのチューニングを少し変えた先に、遍在するリアルを探った。
「今」を記す俯瞰図は、「あり得たかもしれない未来」でもある。
「よくわからないけれども、どこか説得力のあるもの」を目指している。(柿沼 宏樹)