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「冨嶽」
作品解説
金色の雲海から顔を覗かせる荘厳な霊峰。国威発揚の気分から戦前、多くの画家に描かれた富士だが、この時期に栖鳳は療養のため湯河原を幾度となく訪れ、神奈川の自然風景に佇むこの山を捉え描いていた。静養地の近隣にそびえる富士は、画家にとって観念的な神聖さ以上の体験をもたらしたことだろう。山頂付近に少しだけ置かれた残雪の白が青々とした山体にかすかな律動をもたらし、威風堂々たる存在に瑞々しさを加えている。
竹内 栖鳳(たけうち せいほう)
たけうち・せいほう 元治元(1864)京都~昭和17(1942)神奈川 日本画家。本名恒吉。幸野楳嶺の元で絵を学び、のちに京都府画学校(現:京都市立芸術大学)に入学。卒業後は京都市立美術工芸学校(現:京都市立芸術大学)の教諭となり、一方で受賞を重ねる。京都画壇の伝統を継承し、古典からモダンな画題まで幅広く描き、また多数の逸材も育成した。文展審査員、文化勲章受章。
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