「夕化粧」
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サイズ41.5×28.2(64.9×51.4)cm
素材紙本着色
備考額装

共シール
『大正日本画の異才-いきづく情念 甲斐庄楠音展』(京都国立近代美術館など、1997年)図録所載、監修:島田康寛 『甲斐庄楠音画集 ロマンチック・エロチスト』(求龍堂、2009年)所載
昭和52年頃作
本体6号
作品番号A2-89-748
キーワード美人画
作品解説
甲斐庄と言えば、土田麦僊によって「穢い絵」と酷評された事件が有名である。だが、その後も「悪魔主義」と呼ばれるような「デロリ」とした画風を貫き、大正期を代表する画家となった。46歳のときに映画の時代考証を担当したことから、監督・溝口健二と生涯の友となる。アカデミー賞衣裳部門にノミネートされるなど活躍したが、溝口の死後、ふたたび創作活動をはじめた。82歳のとき、三越で開かれた回顧展の好評を受け、翌年にギャラリーカト(京都)に出品したのが、34《船まんじゅう》である。《夕化粧》も同じく、昭和52年頃の作品である。晩年は飄々と生きる人物の有り様を明るい色彩で描き、乾いた深みのある作風へと変化していった。しかしながら、三越で開かれた回顧展で楠音が掲げたモットーは「穢いが生きていろ」であり、デカダンス精神は時代を経ても変わらず息づいている。
甲斐庄 楠音(かいのしょう ただおと)
明治25(1894)京都~昭和53(1978)東京
日本画家、風俗考証家。京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)卒業。川北霞峰に師事。卒業制作の《横櫛》を村上華岳の勧めで国展に出品し、入選。以後国展に出品を重ねる。大正期の退嬰的、官能的な美人画を得意とする。また風俗考証家として溝口健二監督の映画制作にも携わった。
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