2007-08-10日本美術そうだったのか通信
Vol.131 初社員研修旅行

□■□■ 『日本美術そうだったのか通信』Vol.131 初社員研修旅行

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もくじ
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・ご挨拶
・お知らせ
・茶箱広重
・古美術の名脇役 <タトウ>の巻き
・ネットで愉しむ秋華洞 <新着作品>

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■□■御挨拶□■□

今週、6日〜7日と、秋華洞初の社員研修旅行に行ってまいりました。

連日共、快晴の天気に恵まれて、目指すは茨城県五浦。近代日本画の歩みを
知る上で、この「五浦」は重要な土地です。明治39年、岡倉天心指揮の下、
この地で日本画の近代化を目指した美術活動が展開されました。

目の前に広がる海とダイナミックで変化に富んだ五浦の景観を楽しみながら、
岡倉天心のみならず、彼の四人の愛弟子、横山大観、下村観山、菱田春草、
木村武山彼らの偉業を肌で感じる旅でした。

初の社員旅行を終え、秋華洞も夏休み目前ですが、本日も気をゆるめずに内
容盛りだくさんで「そうだったのか通信」をお届けします!

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■□■お知らせ■□■

誠に勝手ながら、8月12(日)〜 17日(金)を夏期休暇とさせていただきま
す。メール、FAXは24時間受け付けておりますが、詳しいお返事は20日
以降となりますので御了承下さいませ。尚18日は通常営業しております。

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■□■“茶箱広重”の残したもの□■□

先週の続きですが、広重というビッグな名前を引き継いだ二代広重は「二代
広重」という名を捨て、横浜で輸出用の茶箱の絵を描き、“茶箱広重”とあ
だ名されたと言われます。実はこの“茶箱広重”はそれからの浮世絵版画の
歴史に多大な影響を及ぼした、と思われる、数多くの無名の版画下絵絵師の
うち、具体的な絵師として名前がわかっている唯一の人物であると思います。

ヨーロッパにおいて、「ジャポニスム」というムーブメントがあり、日本の
浮世絵はヨーロッパの美術に多大な影響を与えた、ということはよく知られ
ています。日本ではこれまで紙くず同然と思われていた浮世絵版画が、ヨー
ロッパにおいて価格が高騰。浮世絵が高く売れると、横浜の貿易商たちが目
をつけ、全国各地から浮世絵が高値で買い集められ、海外に売られます。こ
うした海外流出は、本格的には明治10年を過ぎたころから始まり、現在海外
において著名な浮世絵のコレクションが形成されている背景には、こうした
歴史があります。

ではなぜ、日本ではぞんざいに扱われていた浮世絵が、そこまで海外での熱
狂を生みだしたのでしょうか。“紙くず同然”に扱われていた浮世絵という
か「木版画」は、それこそ輸出用のお茶などの詰め物にまで使われていたの
ですが、そこが始まりだったのです。

外国人たちは、極彩色の日本の木版画そのものに対して、驚いたのです。
「ジャポニスム」は、主題のみならず、技法や様式にまで及ぶものとして迎
えられました。絵師、彫師、摺師の分業体制によって制作される木版多色刷
りの浮世絵の技術、とくに色彩に、外国人は驚嘆の眼差しをもって接してい
ました。

そんな欧米の人々が初めて目にした木版画は、“茶箱広重”や、幾多の無名
絵師が描いていた輸出用商品のパッケージ下絵などではなかったでしょうか。
「茶箱広重」はその名前が残っているだけでも貴重な人物です。その後世界
中に影響を残していった、当時の無名絵師たち、彼らの活動が明かされてい
くようになるのはまだまだ先のことでしょう。

こうした明治期以降の木版画の歴史や、外国人と浮世絵との関係などは、研
究がまだまだ始まったばかりの分野です。そして大正期になると、川瀬巴水
や伊藤深水といった人物による「新版画」運動がおこってゆきます。日本の
木版画そのものが、第二次世界大戦にいたるまでに、非常にインターナショ
ナルな展開をみせてゆくのです。それは次号、お盆明けにお会いしましょう。

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■□■古美術の名脇役 <畳箱(たとうばこ)>の巻き ■□■

畳箱とは額装の絵画を収めるための箱です。着物などを包む、和紙に柿渋
(かきしぶ)などを塗り、厚手の包み紙「畳紙」(たとうし)の略ですが、
我々美術商の間ではこの箱のことを「タトウ」と呼んでいます。

形は封筒を箱型にしたもので、本体は紙や合板などで出来ており、表面には
ビロードなどが貼られていることが一般的です。作りがしっかりしている為、
絵画を運んだり、出し入れする時に非常に便利です。号数の小さい絵画であ
れば、封筒から手紙を出すような方式で、箱から絵画を取り出します。号数
が大きい絵画の場合は、タトウを横に倒し、中の絵を引き出す方式で絵を取
り出しますが、絵を引きずりたくない為、号数の大きい絵画の場合は、二人
係で作業をします。

この「タトウ」日本で絵画作品の保管と運搬のために開発されたものだとい
われています。こんなところにも、日本人の小さなアイデアというのが生き
ているのですね。

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■□■新着情報■□■

夏の日差しが眩しいですね。今週は6点アップしています。

□ 中村宗広「燐」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/jpn/NAKAMURA_MUNEHIRO/A07-0146.html

□ 竹内栖鳳「和暖」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/TAKEUCHI_SEIHO/A07-0252.html

□ 伊東深水「美人画」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/han/ITO_SHINSUI/A07-0210.html

□ 月岡芳年「美談武者八景」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/han/TSUKIOKA_YOSHITOSHI/A07-0192.html

□ 中村善策「武蔵野の梅」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/yo/NAKAMURA_ZENSAKU/A07-0169.html

□ 向井潤吉「時雨くる大原」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/yo/MUKAI_JUNKICHI/A07-0172.html

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■□■ご感想をお待ちしております!■□■

最後までお読みいただき有難うございました。
秋華洞メルマガ編集担当、桑田郁子、中島洋平がお送りいたしました。

みなさまからの感想をお待ちしています。
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次号は夏休み明けの再来週を予定しております。
どうぞお楽しみに!

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弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

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