2007-08-04日本美術そうだったのか通信
Vol.130 広重も二代、三代、四代・・・

□■□■ 『日本美術そうだったのか通信』Vol.130 広重も二代、三代、四代・・・

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もくじ
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・ご挨拶
・広重も二代、三代、四代・・・
・これが絶品!カタログ10
・古美術の名脇役 <風帯>の巻き
・ネットで愉しむ秋華洞 <新着作品>
・お知らせ

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■□■御挨拶□■□

すでに夏期休暇中のお店もあるのかどうか、どことなく静かな銀座の街です。
秋華洞はと言いますと・・お陰さまで、賑やかな毎日でございます。
暑さにも負けず、本日も「そうだったのか〜。」をお届けしたいと思います。

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■□■広重も二代、三代、四代・・・□■□

葛飾北斎も歌川(安藤)広重も、あまりにも有名ですが、ここまで世界的レベ
ルで有名になると、逆にどうもその弟子のことなどに関してあまり語られな
い。今回弊社カタログvol.10で、二代広重の作品を掲載しておりますが、
「二代」って誰!?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この人、最初はまさに広重の二代目という感じなのですが、最終的には横浜
で輸出用の茶箱の絵を描いて、“茶箱広重”とあだ名されたと言われていま
す。ちょっと不思議というか数奇というか・・・そんな人です。

文政9年(1826)生まれの二代広重は、はじめ「重宣」という名で作画を開始
し、本の挿絵や肉筆に手腕を振るいます。 安政5年(1858)9月に初代広重が
コレラにより亡くなり、安政6年(1859)春になると重宣は初代の養女お辰と
結婚、ただちに二代目を襲名します。カタログvol.10に掲載した初代広重の
晩年の代表的風景版画シリーズ「名所江戸百景」は、ゴッホに大きな影響を
与えた有名な「大はしあたけの夕立」を含むシリーズです。これは初代没後
も刊行され、中には「二代広重筆」と落款されたものもあります。このよう
に師の作風をよく受け継ぎ、二代広重の代表的風景版画シリーズとなるもの
が、同じくカタログに掲載した「諸国名所百景」シリーズです。文久元年
(1861)まで、足かけ3年にわたり刊行されました。

ところが、こうした初代の作風に忠実な“二代広重時代”はそう長くは続か
なかったのです。慶應元年(1865)頃には、二代広重の名を捨て「立祥」と号
し、本格的に横浜に移住します。その理由は、14歳も年下の妻お辰との不仲
からの離縁。姑や、弟子の三代広重(重政)との関係に破綻が生じたためと専
ら喧伝されています。没年は明治2年(1869)、44歳でした。

幕府が外国との通商を開始し、横浜は外国人が集まり、西欧風の建物が建て
られ、江戸の人々の間に外国人というものへの興味が高まります。その横浜
の風景や風俗を描いた浮世絵を“横浜浮世絵”とか“横浜絵”と呼びます。
二代広重の作品でよく見るものは、むしろこうした横浜絵のほうです。二代
は移住前も江戸において、こうした横浜絵を描いていました。

「茶箱広重」とは、ちょっと聞こえが悪いかもしれませんが、しかしながら
これは当時において絵師として飯を食うに、けっこう儲かった仕事だったと
考えられます。広重という、ビッグな名前を受け継ぎつつも、周りの人間と
の関係が崩れ、その名前とも訣別せざるを得なくなった二代は、さぞかし孤
独だったでしょう。そこで活路を求めたのが当時の横浜であったのです。さ
て、孤独な道を歩むこととなった二代広重。後世に自身の憐れな姿を残した
のみで、後代への影響も与えられず死んでいったのか。いいえ、“茶箱広重”
は後の世界に立派な影響を与えているのです!それは次号にて!

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■□■これが絶品!カタログ10 □■□

前回メルマガでもお伝えしたように、今回のカタログでは工芸品を通常より
多く御紹介しています。

その一点が、今回御紹介する加藤卓夫先生の「青釉胡姫之酒杯」です。

手のひらにおさまるほど小さく、トルコ石の様に深いコバルト色の酒杯は、
まるで手の上に宝石を乗せているかのような、贅沢な味わい深い作品です。

そして、内側には西方的な容貌の女性が描かれており、こんな小さなところ
によくもまぁ描けたもんだ、と思わず唸ってしまいたくなるほどの出来ばえです。

カタログでは原寸大で御紹介しておりますので、より一層見事な作風が伝え
られているかと思います。

まだカタログをご覧になっていない方はこちら →https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi

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■□■古美術の名脇役 <風帯>の巻き ■□■

風帯とは、掛け軸の八双から垂らす二本の細長い飾りです。「文人表装」の
場合は使わないのが一般的です。貼り付けた風帯(押風帯(おしふうたい))
を用いる場合もありますが、これは略式です。

この風帯の由来ですが、古く中国では野外で掛け軸を鑑賞する習慣があり、
燕が飛来して掛け軸を傷つけたり、汚したりするのを防ぐ為に付けられたと
いわれています。なんでも、掛け軸に細くきった紙を垂らす事で、紙を恐れ
る燕は、掛け軸に飛来しないという、燕予防の為だそうです。そのことから
も、風袋は「驚燕」(きょうえん)と中国では呼ばれたと言われています。

こんな小さなところにも、ささやかな工夫がされているのが掛け軸の魅力ですね。

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■□■新着情報■□■

8月最初のUP作品はこちらです!

まずは書が三点です。

□荒川豊蔵「白雲去来」

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/fude/A07-0246.html

□東郷平八郎「三行書」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/fude/A07-0367.html

□会津八一「風竹図」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/kake/A07-0250.html

版画も二点アップしています。

□吉田博「御室」

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/han/A07-0193.html

□吉田博「姫路城」

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/han/A07-0200.html

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■□■お知らせ■□■

誠に勝手ながら、来週8月6(月)・7日(火)は研修旅行にて休業させていただ
きます。メール、FAXは24時間受け付けておりますが、詳しいお返事は8
日以降となりますので御了承下さいませ。

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■□■ご感想をお待ちしております!■□■

最後までお読みいただき有難うございました。
秋華洞メルマガ編集担当、桑田郁子、中島洋平がお送りいたしました。

みなさまからの感想をお待ちしています。
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次号もお楽しみに!

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弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
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その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

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