2020-05-19日本美術そうだったのか通信
Vol.402 鏑木清方と《由縁の花》

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日本美術のホットニュース、業界裏話など、日本美術をより楽しむための情報を
お届けします。株式会社秋華洞提供。
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鏑木清方と《由縁の花》

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まずは、現在 秋華洞のHPで開催中の【Web展覧会】と【特集】のご案内です。

この度、秋華洞ではオンラインでの展覧会を始めました。
【ぎゃらりい秋華洞】( https://www.syukado.jp/ )では、
巨匠の作品や浮世絵、現代作家の作品を交え、読み物も充実させた『特集』を。
【SHUKADO CONTEMPORARY】( https://shukado.com/ )では、
現代作家の活動を支援し、新しい作家との出会いの場を提供する『Online展覧会』を、
心を込めてご紹介してまいります。

【SHUKADO CONTEMPORARY】『Web 展覧会』より、
◆【開催中】Like a dream -蒼野甘夏とクスミエリカ-

蒼野甘夏は、日本画の古典技法を基に、伸びやかで繊細な筆致は自由自在に
独自の幻想世界を描きます。甘く柔らかい色彩に遊ぶ女性たちは、透明感に満ちて、
どこか性別さえも飛び越えた妖精のようです。

クスミエリカは、デジタルコラージュの技法を駆使する写真画家です。
自身で撮影した素材を巧みに組み合わせ、超現実主義的世界観を作り上げます。
近未来的なその世界は、しかしながらどこか郷愁をさそいます。

北海道出身の二人の女性作家が、淡い色彩の中で表現する小気味良い世界観。
どこか夢物語のような絵画世界を覗いてみてください。

期間:2020年5月15日(金)~6月1日(月)まで
下記URLにて展示販売致しております。
https://shukado.com/exhibition/web-exhibition-03/

【ぎゃらりぃ秋華洞】『特集』より、
◆5月11日より公開中「巡る! 夏を待つ花園」
お部屋に飾れば、いつもの室内もパッと鮮やかに色づかせてくれる、
艶やかにして清々しい花々。春から初夏にかけても花園をご案内いたします。

https://www.syukado.jp/feature/202005-02/

【掲載】鏑木清方、木村武山、須田剋太、中村正義、広重、狄青 Di Qingなど

◆5月18日より公開中「夏を呼び込む風景 ~富士山を添えて~」
爽やかな風を誘う新緑の風景も、壮大なパノラマの眺めも、
雄大な富士を望む絶景も絵画の中に広がっています。
気持ちのいい初夏に旅する気分で絵画鑑賞はいかがでしょう。

https://www.syukado.jp/feature/202005-03/

【掲載】竹内栖鳳、曾宮一念、山本鼎、中村正義、北斎、クスミエリカ、蒼野甘夏など

その他、【特集記事】はこちらからお楽しみいただけます。
https://www.syukado.jp/feature/

※お作品は購入可能。
掲載一ヶ月間は表示価格より10%割引でご提供いたします!
※また、お作品は、銀座ぎゃらりい秋華洞でご高覧いただけます。
現在、コロナウイルス感染拡大防止対策といたしまして、
ギャラリーは完全予約制となっております。
前日15時までにお電話、メールにてご連絡くださいませ。

今後も楽しく欲しくなる!特集!を続けて参りますので、ぜひHPをご注視くださいませ。

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さて、【ぎゃらりぃ秋華洞】『特集』「巡る! 夏を待つ花園」で作品のトップを飾る
鏑木清方の《由縁の花》は、秋華洞の最新カタログでも表紙を飾っております。
皆様もうご覧いただいておりますでしょうか。

まだの方はこちらから最新カタログの無料お試し請求が可能です。
https://www.syukado.jp/catalog/

タイトルの《由縁の花》。「由縁(ゆかり)の花」とは…
ホカホカご飯に、皆様一度はかけたことがおありではないでしょうか
むらさきの紫蘇が鮮やかなふりかけ「ゆかり」ともゆかりのある言葉。

「紫のひともとゆゑにむさし野の草はみながらあはれとぞみる」(古今和歌集)
ここでの紫は、紫草という根が紫色の染料になる貴重な植物のこと。
紫草に一つに情をよせるために、武蔵野の草すべてが愛おしい、
転じて、一つの人あるいは一つの物がいとおしいために、
それに関係するすべてに愛情を感じる、という和歌から
後にこの歌の指す内容が 「紫のゆかり」という一言に縮められます。

そして、『更級日記』のなかでしばしば用いられる『源氏物語』の異名の一つ、
「紫のゆかりの物語」の源泉となった有名な歌です。

つまり、「ゆかり」といえば「紫」を連想させるのです。
唯一無二のふりかけ「ゆかり」も紫の色とこの歌を掛けて付けられた名前だそうで、
なんとも雅な由来ですね。

本作清方の「由縁の花」はもちろん、紫の藤の花。
前述の和歌の紫草は、実は白くて小さな花を付ける現在なんと絶滅危惧種の植物
なのですが、藤の花の別称にも「紫草」というものがあります。
そしてさらにまた別の呼び方に「松見草」というものもあります。
松の枝に絡みつきながら伸び行き、花を咲かせる藤は、松の緑を見つめている
ように感じられたのでしょう。
古来から松の木の近くに藤を植えることも多いようで、
太く雄々しい松の木を男性に、寄り添う藤の花を女性になぞらえて
男女の縁を祈念したり、夫婦円満の文様にしたりとされています。
(しかしながら藤の絡まる力はかなり強いので、松に巻き付いて締め枯らして
しまうことも少なくないようですが…)

そんな藤の花に寄り添う乙女は人待ち顔のよう。
清方は娘の帯の意匠に松の木を配して、想い人を待っているのか乙女の姿を
より暗示的に描き出しています。

清方は、東京随一の劇場と呼ばれた新富座が開場した1878年に神田に生まれます。
父・条野採菊は山々亭有人と号した幕末の人情本作家、戯作者であり、劇作家、
劇評家で「やまと新聞」を経営する新聞人でジャーナリスト。
母も祖母も芝居好きで、両親揃って物心付く前から清方は芝居見物に足を運んでは、
戯作を読みふけって成長します。
13歳で父と父の友人でもあった三遊亭円朝の奨めで、浮世絵師の系譜を次ぐ
水野年方に弟子入りした後、16、7の若さで「やまと新聞」の挿絵から、
小説雑誌の口絵、芝居好きが長じて雑誌『歌舞伎』では舞台のスケッチに加えて
劇評も執筆し、二十歳以降は文筆の仕事も数多く手掛けることになります。
10代でプロの挿絵画家として活躍した清方は、尾崎紅葉や泉鏡花らの小説の挿絵を
手掛けてまさに人気を博す売れっ子絵師でした。
このとき培った挿絵画家としての情趣と文学性は後に描く日本画に
一貫して受け疲れています。

ところで、清方といえば明治・大正・昭和を彩った美人画の巨匠。
そして、同時代に活躍し、「東の清方、西の松園」と謳われた上村松園とともに、
かつて、日本画において風景画より下に見られ、精神性の乏しい俗っぽい絵とさえ
されていた美人画の価値を崇高な一つの画題として確立し、
日本美術史の中にしっかりと美人画の立ち位置を築いた二柱です。
清方、松園なくしては近代日本の美人画の系譜、そして現在の美人画ブームは
語ることはできません。

最新号のカタログでは、「美人画三巨匠~時代をきざむ花錦~」と題して、
上村松園、鏑木清方、伊東深水の特集を4ページに渡っておおくりしております。
新入荷の作品から、秋華洞の珠玉のコレクション、またお客様のもとへ旅立っていった
過去の収蔵品も含めて、美人画の三巨匠たちの作品が時代、年齢、歴史的背景によって
移り変わっていく過程をポイント解説を交えてご案内しております

《由縁の花》にも描きこまれている清方の芸術性。
江戸の残り香を漂わせる明治の風俗や、下町に生きる娘や女性の清らかな叙情。
物語の一場面を切り取ったかのような深い文学性と粋な精神。洒脱な描写。
清方の長い画業の中でいつの時代も変わらず一貫して描き続けたスピリットを、
年代順に掲載した秋華洞コレクションから、感じていただければ幸いです。

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