2004-10-06日本美術そうだったのか通信
Vol.18 人生観!

こんばんは。
アートオフィスJC 田中千秋です。

夜が定番になってきてしまいましたが、現在とりくんでいるカタログ作成が一段
落したらもう少し早い時間に配信できるように工夫していきたいと思っています。

————————————————————
□■□■  「日本美術そうだったのか通信」 Vol.18
発行 有限会社アートオフィスJC
http://aojc.co.jp/
————————————————————
<本マガジンの説明>
日本美術の鑑賞界のホットニュース、古今国内東西の作家のエピソード、美術業界
裏話など、日本美術をより楽しむための情報をお届けします。
アートオフィスJC・秋華洞提供。
————————————————————

現在、カタログの第一弾作成に向けて色々と準備を進めています。

(カタログ請求はこちら)
http://aojc.co.jp/contact/catalog.cgi

今、各作品の脇に付ける作家紹介の文章を作っています。

そのなかで、作家の事を短く要領よく伝える作業が案外難しいことに気づかされま
した。

作家ごとの出身、生没年、経歴、受賞歴を簡単に押さえる一方で、その人の魅力や
位置づけを説明しなければなりません。

真面目に考えれば、この作業は一人一人の作家の数十年の「人生」に向き合うわけ
で、実は時間がかかるのが当たり前の作業ではあります。(過去に人が作った資料
を基にするわけですから大層なことをいうと恥ずかしいですが)

手を抜くと、作家紹介は時歴と勲章だけの無味乾燥なものになりがちですが、それ
では、何も伝わらないと思います。

で、そこで思ったこと。

私どもは主に物故作家を扱うことが多いです。物故作家と呼ばれる人は、要するに
歴史に名を残した人になりますが、一方で、名を残さなかった人、忘れられてしまっ
た人が無数にいる訳です。江戸時代にも、明治にも、昭和にも、名を残さなかった
無数の作家がいる筈です。

何故、名を残した人と、名を残せなかった人がいるのか。その違いは何か。

それは多分、才能と、運と、努力の掛け算で決まるのでしょうか、ひとつ言えるこ
とは、「自分で考えた人」である、という事だと思います。

人のマネをする、受けをねらう、大勢に流される、売りやすい絵を描く。
多分そういう人(自分で考えない人)の絵と名前は残らないのでしょう。

別に「名を残す」のが目的にはならないでしょうが、人に喜んでもらった結果が
「名を残す」という結果として表れるとすれば、意味の無いことではないと思いま
す。(それに絵描きは有名にならないとそもそも本業で食べられません)

一方で、大事なのが「伝統」に対するスタンスだと思います。たしか高山辰雄先生
だったか、ちょっと忘れましたが、「伝統の中に真の芸術はない」一方、「伝統を
はなれて真の芸術はない」という言葉を言っていたと思います。

画業に関して考えてみましたが、実は誰にでも当てはまる事ではないか、とも思い
ます。人生の目的は「名を残す」事では無論ありませんが、自分が社会の一角で意
味のある仕事をしたい、と思うのであれば、同じ事が言えるのではないでしょうか。

別の角度で云えば、人のやることの殆どはマネなのですけれど、マネしてきたこと
の中に、現状にそぐわないこと、詰まらないこと、を見つけ出したら容赦なく叩き
出して、自分で考えてみる。大勢がどう反応しようが、率直に表現してみる。試し
てみる。流されがちな日常では、案外難しいのですが。

さて、そうした「人生」という視点から、尾形光琳でも、横山大観でも、加山又造
でも、巨人たちの反逆ぶり、偉業を見直してみても、なんだか面白いのではないか、
自分たちの仕事におきかえられないか、と、思ったりするのであります。

本日は読んで下さいまして有難う御座います。
また明日!

((ご意見、お待ちしています。このメールへの返信で私に届きます。))

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アートオフィスJC販売作品リスト
http://aojc.co.jp/sell/index.html
美術品無料査定・買取致します。
http://aojc.co.jp/buy/index.html
カタログ請求はこちら
http://aojc.co.jp/contact/catalog.cgi
「書画・絵画鑑定マニュアル」ご請求はこちら
http://aojc.co.jp/kantei/index.cgi

★★「おんらいんぎゃらりい秋華洞」10月回廊予定で準備中!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行 有限会社アートオフィスJC
http://aojc.co.jp/
TEL 03-3569-3620 FAX 03-3569-3621
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
代表取締役 田中自知郎・田中千秋
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ご意見、お問い合わせは、→ chiaki-magazine@aojc.co.jp
(このメールへご返信下さい!)
◎バックナンバーはこちら →
http://backnumber.combzmail.jp/mmz/backnumber/h4vn_backnumber.htm
◎マガジン登録、変更、解除→ http://aojc.co.jp/mail-magazine
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━