2009-01-23日本美術そうだったのか通信
Vol.178号 不況と美術

□■『日本美術そうだったのか通信』Vol.178号 不況と美術□■

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もくじ
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ご挨拶
不況と美術
ネットで愉しむ秋華洞

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■□■ ご挨拶 ■□■□■

あけましておめでとうございます、というにはちょっと遅いですね。

秋華洞「丁稚」社長 田中千秋です。

今年は、なるべく私がメルマガを書いていこうと思います。

この数年、スタッフに書いてもらっていました。

十分におもしろい内容をお届けできている、と感じていましたが、最近、詰まら
ん、というご指摘を受けることがありました。

書いていたスタッフは、みな、かなりの見識のある者ですが、ただ、どうしても
スタッフだと難しいのは「現場」感かもしれません。調べたり聞いたりしたこと
でなく、自分の目で見て、感じたこと、考えたこと、それが人に読ませる文章に
は必要なのですが、ちょっとそのへんが、忙しいなかで甘くなったきらいがあっ
たかもしれません。

このメルマガのタイトルは「日本美術そうだったのか通信」。このタイトルは、
文字通り、私が日本美術売買の現場に触れて、あるいは作品ソノモノに出会って
感じる驚きを、まだ美術業界でのキャリアが少ないからこそ書ける視点–

※わたしのプロフィール
http://www.syukado.jp/jp/profile/profile_chiaki.html

すなわち、お客様との共感を呼べる視点で表現していこう、というものでした。

今は、なまじっか?5年ほどのキャリアが出来たことで、目の前に起きているこ
とに新鮮な驚きがなくなってしまっている傾向があるかもしれませんが、一方で、
私ならではの視点も少しずつですが、持てていると思います。

今年は、私が頑張って書いていきたいと思います。

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不況と美術

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昨年の後半から、日本と世界の景気は、急激に冷え込んで参りました。不況の時
こそ美術を買え!では不況の時の美術の買い方は?という特集で、「アートコレ
クター」という雑紙からインタビューを受けました。
http://www.syukado.jp/jp/press/history/artcollector2009_02.html

「不況に強い美術」とは、という質問を受けたのですが、雑紙の切り口としては
面白いけど、そんなこと言われてもなあ、といささか戸惑いました。

なぜ当惑するか。それは、美術は金融商品ではないからです。もちろん、資産の
ポートフォリオとして、美術が金融商品としての側面を持っていることは重々承
知しています。私ども美術を生業としている者は、美術相場の変動に敏感になる
必要があります。

でも、美術が安いから買う、高いから買う、という買い方は、美術の買い方の本
質を見失う恐れもあります。

今、たしかに美術相場は弱含みで、下がった銘柄が多いのですが、先のインタビュー
ではあまり下がらなかったジャンルとして「版画」「古美術」をあげました。で
は、下がらなかったから、下がらないジャンルを買うといいのでしょうか。考え
てみれば、下がらない、ということは、景気がよくなっても上がらない、のかも
しれません。しかし、景気が多少悪くなっても「下がらない」という事は、十分
に絵の実力があって、もしかしたら「上がる」のかもしれませんね。

今でこそ「不景気」一色になっていますが、ほんの少し前(昨年の秋)まで、美
術の一部のジャンルにはバブル景気が加熱していました。「草間彌生」「リー・
ウーファン」が1年で数倍に値段が跳ね上がり、また元に近い水準まで落ちてし
まいました。現代アートのジャンルでは、若い、ちょっと誰も知らなかったよう
な作家の作品に数千万、数億の価格がつくようになりました。

このアートバブル現象の背景には大手「アートファンド」の暗躍?もあったよう
です。美術商も、競って「値上がり銘柄」を求めて、高く売り抜けよう、という
動きがありました。私自身も、全く関わり合いがなかった、といえば嘘になりま
す。

しかし、こうした動きは、本当に1ヶ月単位の短期的な動きです。しかも美術の
相場は、株式のように、刻一刻発表されるわけでもなく、売買単位もバラバラ。
すなわち、作家による評価があるにしても、絵の大きさも、できばえも違うので、
簡単に景況感を追いかけることはできません。公開、非公開の市場など、あらゆ
る美術売買の現場に「貼り付いて」いなければ、とうてい、相場を追いかけるこ
となど出来ません。そんなこと、一般の方に出来るでしょうか?本業に専念して、
その慰みや高揚感に役立てるのが、美術の楽しみなのではないでしょうか。

美術品の「金融商品」としての強みは、2つあると思います。

ひとつは、所有する楽しみ、飾る楽しみがあることです。金の延べ棒や、現金に
は、所有する喜びは多少あるかもしれませんが、お金は、いわばタダの数字。美
術は最高の技術を持った美術家が生み出した精神の神髄。手にする喜びはひとし
おです。

もうひとつは、まさに金融的な面。美術は、本当によいものを選べば、長期的に
見て、目減りしません。もちろん、バブル時期に買ったものが劇的な値下がりを
しているものもありますが、本来、美術は50年、100年のスパンで考えるべ
きもの。「お金」は、交換価値として、次第に下がっていく傾向がありますが、
美術は、その評価が下がらなければ、「お金」と同じようには下がりません。

また、クルマや、不動産など、「使用」するものは減価償却といいますか、使っ
ているウチに価値が下がりますね。まあ資産とはいえませんが、パソコンなんて、
2年もすればほとんどタダ。美術は永久の資産です。

私は、絵の金融云々の話はあまりしたくないのです。なぜなら、現実のバブル崩
壊で下がった事がありますし、値上がりするかどうかなんて、現実の景気同様、
全くわからないのですから。ただ、長期的な視点にたったとき、金融ポートフォ
リオとして、現金や株式、不動産に比べて、プラスの側面もありますね、という
事を確認したまでです。

そこで「不況に強い」買い方、というと、結局、「好況時」と同じなのです。自
分の目で、よい、と思った作家を、買うこと。で、気がついたら、儲かっていた。
あれ?そんなつもり、なかったんだけどな。というのが、不況に強い、美術の買
い方ではないでしょうか。「上がりそうだから」なんていう理由で買うと、ソン
しますよ?

次号でも、絵と値段の話を、少し続けようかな、と思います。

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現在、弊社ホームページおんらいんぎゃらりい秋華洞で
ご覧いただける作品をご紹介いたします。

おんらいんぎゃらりい秋華洞はこちら → http://www.syukado.jp

***西村龍介「湖畔の城」
独特の質感と緻密な筆致。凛とした空気感を出しています。
点描を用いて詩情漂う古城風景を描いた力作です!
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/NISHIMURA_RYUSUKE/A08-0577.html

***園英珠「静御前画賛」
華麗に舞うたおやかな美人。
肉筆浮世絵風の濃密な色彩で描かれた古風な静御前が魅力的!
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/EN_EIJU/A08-0492.html

***川合玉堂「古渡春」
明るい色調で穏やかに山河を描いた本作。
日本の風土をこよなく愛した玉堂の原風景ともいえましょう。
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/KAWAI_GYOKUDO/A08-0580.html

***津田青楓「光悦寺秋景図」
本阿弥光悦が徳川家康から拝領した地に芸術家村を営んだことで知られる光悦寺。
その参道を、素朴な描写で描いたあたたかみのある一幅です。
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/TUDASEIFU/A08-0602.html

いかがでしたでしょうか?
これからもどんどん作品を御紹介いたします。
どうぞお楽しみに!
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田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
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