代表取締役社長 田中千秋の長い長いプロフィール
11 この仕事の社会的役割

敗戦によって、日本人は多くのものを失いましたが、幸いにして「滅亡」は免れました。日本経済の復旧・成長にスポットが当てられる反面、「日本文化」というものを保護育成することを怠り、日本人としてのアイデンティティや誇り、知性、感受性は、ことごとく分解・軟体化されてしまったと思います。

では「日本文化」「日本美術」とは何か。 私程度の見識で色々言うのも憚られますが、今の時点において私の言葉で言うならば、かざること、遊ぶこと、そしてちょっと「引く」ことかな、と思ってます。さらに単純化すると「心の余裕」みたいなものでしょうか。

日本の方には誇りを持って頂くこと、外国の方には、面白がってもらうこと(実態は逆かも)、このあたりが美術商の役割としてあるように思います。

この国に生まれ(たまたまですが)、日本人として責任のある役割を世界で果たそうとするならば、「良さ」というものをもっと日本人がよく知って、誇りを持って外国の方と接しなければならないのではないでしょうか。自信がなくっちゃ堂々とわたりあえないですもの。

また日本文化を伝える、学ぶ、ということでいえば、博物館、美術館、そして学校にもその役割があるでしょうが、美術商も、流通という立場で、良いものの良さを「表現する」、「伝える」社会的役割があると思います。

長い長い長いプロフィールにおつきあい下さいまして有り難うございます。
最後まで読んで頂いた貴方、凄い!