「船子和尚」
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サイズ96.5×45.5(188.2×59.0)cm
素材紙本水墨
備考軸装
落款・印
経年劣化
作品番号A2-92-700
作品解説
ひとり船のへりに座し、釣り糸を垂れる和尚。大部分を余白が占める画中で、和尚の姿は淡い墨で柔らかくかたどられ、袈裟の衣文には宗達の代名詞といえるたらし込みを交えて枯淡な味わいが加えられている。画題の船子和尚は、受戒後に人里を離れ川の渡し船の船頭をしていた人物であり、やがて出会う弟子、夾山に自身の命と引き換えに法を伝えたといわれている。本作ではまだ隠遁生活のさなかにある和尚を描き出す。ともすれば消えてしまいそうなほどに儚い画面の中で、和尚は黙々と釣り糸の先を見つめる。あたかも継承者との邂逅を静かに待ち続けているかのようだ。
俵屋 宗達(たわらや そうたつ)
生没年不詳 絵師。名は以悦、伊年、対青軒など。親交のあった角倉素庵や烏丸光広と同年代の永禄13年(1570)頃、上層町衆の出生と推察される。京都の豊宗寺に住して永徳画法、古土佐骨法を会得し、陶芸や蒔絵、書などにも才能を発揮する。伝統的な大和絵に、装飾的画法、大胆な構図とたらし込みなどの独自の技法を添加させ新様式を確立し、いわゆる光琳派の先駆となる。
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