この度、ぎゃらりい秋華洞では、2025年9月6日(土)から9月20日(土)まで、小林夏美と松田啓佑による2人展「Draw-ing:境界を漂う―開かれた布置」を開催いたします。
この度、ぎゃらりい秋華洞では、2025年9月6日(土)から9月20日(土)まで、小林夏美と松田啓佑による2人展「Draw-ing:境界を漂う―開かれた布置」を開催いたします。
展覧会情報
展覧会小林夏美・松田啓佑「Draw-ing:境界を漂う―開かれた布置」
会期2025年9月6日(土)〜20日(土)
会場ぎゃらりい秋華洞
時間10:00〜18:00
備考日曜休廊 入場無料

本展企画者によるご挨拶

モノプリントによる版画制作を展開する小林夏美は、確かな経験をもとにしながらも記憶や感覚を抽象化し、主に描画を用いて定着させることを試みています。
松田啓佑は、理性的な構造としての絵画とは異なるアプローチで、色彩やストロークを通じた絵画表現に取り組んでいます。
一見、極度に抽象化されたかのように見える両者の作品ですが、転写や色面構成により、かつて捉えたイメージの境界を露わにする行為は、線的性質にとどまらないドローイング像を提示してくれるのではないでしょうか。

また、こうした刷る・描く・擦る・剥がすといった一連の行為の痕跡は、視覚イメージを超え、事物同士が関わりあう中で偶然に生まれた、“状況”でもあります。

「素描」という従来の括りにとらわれず、線を核とした表現を広く「ドローイング」として捉えることで、秩序だった手順にしばられない、不定形のイメージが生まれてくる瞬間を観測したいと思います。

論考|拡張するドローイング|小川綾子(東京都江戸東京博物館学芸員)

論考|境界あるいは媒介としてのドローイング|土田祥ノ介(本展企画者、早稲田大学文学学術院)

Natsumi Kobayashi, “Grass and Water”, 2024, Oil based ink on Velin Arches Paper, monoprint, 89.7 x 70.4 cm (Frame size) © Natsumi Kobayashi / Photo courtesy of GALLERY crossing
Natsumi Kobayashi, “Grass and Water”, 2024, Oil based ink on Velin Arches Paper, monoprint, 89.7 x 70.4 cm (Frame size) © Natsumi Kobayashi / Photo courtesy of GALLERY crossing
Keisuke Matsuda, “untitled”, 2024, Acrylic and dermatograph on paper, 38.0 x 45.5 cm © Keisuke Matsuda
Keisuke Matsuda, “untitled”, 2024, Acrylic and dermatograph on paper, 38.0 x 45.5 cm © Keisuke Matsuda