2007-05-26日本美術そうだったのか通信
Vol.121 次号目玉!

□■□■  『日本美術そうだったのか通信』Vol.121 次号目玉!

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もくじ
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・ご挨拶
・目玉次号カタログ!
・新着作品情報
・古美術の名脇役 <矢筈>

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■□■ご挨拶■□■

銀座の街でも、日傘をさしている方を良く見かける季節となりました。

スタッフの中からも日傘の話がちらほら。

これからが暑さ本番ですね!

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■□■□■目玉!次号カタログ!□■□■□■□■

カタログ次号の目玉は横山大観「朝嶺」です。

明治10年代に日本に来たお雇い外国人フェノロサが、日本画に対して真っ先

に非難した点は、「色の濃淡という概念が全く無いじゃないか!」というこ

とでした。

「書画」という言葉がありますが、それまでの絵画は畢竟、「書」

の延長線上にある「画」というもので、線重視なわけでした。

「そうではない、絵画は純粋に絵画だ。近代に適合する新しい“画”を作るんだ!」

と、画家達は四苦八苦。描線を用いず、色の濃淡のみで画面を作り出すいわゆる

“朦朧体”の創出は、明治以降の画家達が「書」の概念から脱却した絵画を目

指し、生みだされたひとつのスタイルです。日本画における、印象派みたい

なものでしょう。しかし、東洋絵画の伝統は根強く、線の力強さを意図的に

切り捨てた朦朧体は、当初非難されます。

しかし、その後の日本画は、線描+写実性を追求した“塗り”、というスタ

イルが定着していきます。この「朝嶺」は、朦朧体スタイルの墨の滲みで雲

を形取り、遠山を描いていますが、山に何故か墨をこぼしたような黒点がた

くさんあるのが分かります。これは、文人画の山水に見られるような墨のこ

ぼしです。そうした伝統的な“「書」の延長の「画」”の特徴的な点を、自

身の確立したスタイルの中に敢えて取り入れたのではないでしょうか。

見ごたえのある、面白い作品ですよ!

■□■□■□■新着情報□■□■□■□■□■□

今週は浮世絵中心にアップしております!

□梶原緋佐子「美人」

着物を少し乱して、蒸し暑そうにしている美人、色っぽいです。菊地契月
の門から出た梶原緋佐子は、契月の雅趣溢れる大和絵描線と、鏑木清方風の
浮世絵的美人を掛け合わせたような独特の画風がある人です。ささっと省筆
で描いたようで、この情感をだしているのがたまらない!

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/KAJIWARA_HISAKO/A07-030.html

□月岡芳年「風俗三十二相 おきがつきそう 明治年間 西京仲居之風俗」

開店準備といったところ?提灯に灯をともしつつ、片手で髪の玉簪を直す。
気が利いて、なおかつ色気もあり!目元涼しげ小粋な仲居の姿。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/TSUKIOKA_YOSHITOSHI/A06-1547.html

□山本昇雲「今すがた 三すじ」

月明かりに人の賑わい。夜桜をバックに描かれたのは、三味線と歌本を手に
した二人の女芸者。色白ふっくらの頬に、赤みのさした目元、小さな口元が
なんとも色っぽい。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/YAMAMOTO_SHOUN/A07-034.html

□浮世絵・版画では小林清親「武蔵百景 江戸ばしより日本橋の景」

明治17年版。浮世絵界に彗星の如く登場し、新たな表現を続々生みだした小
林清親の後期の作品。前景に人物などが大きく表れ、その中に遠近法を使っ
たスタイルは広重が打ち出したもので、清親はなぜかこの時期、広重にレイ
ドバックしていました。背景の建物は、紛れもなく明治建築!地平線近くに
赤を使うようなところも、明治の浮世絵の特徴です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/KOBAYASHI_KIYOCHIKA/A07-040.html

□吉田博「三保」

浮世絵のような、洋画のような...全く新しい感覚の版画。ここではあえ
て富士でなく、打ち寄せる波の、淡い色合いの美しさを味わいたい気分です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/YOSHIDA_HIROSHI/A06-1397.html

□川端龍子「寒鮒」

水面にスーッと張った、空間を切り取るような氷の表現が趣ある一品。陰影
を浮き上がらせた鮒を刺すようです。緊張感のある画面なんだけど、可愛さ
もあるんですよね・・・これもひとつの龍子ぶし。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/KAWABATA_RYUSHI/A07-010.html

□尾形月耕「画帖『双六に上りた駅旅日記』『江戸名所十三図』

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/OGATA_GEKKO/A07-041.html

画帖形式で綴じられた二つの主題で、没する前年の大正8年作。双六で上が
った駅に行ってみた時の旅日記のようです。さすが江戸っ子月耕、何て粋な
おじいちゃん。日暮里や浅草寺など、江戸の名所の大正時代のさまを伺えて
興味深い。

■□■□■□■□古美術の名脇役 第三弾 矢筈(やはず)■■□■□□■

皆様「矢筈」(やはず)とは何かご存知ですか?

あまり馴染みのない方も多いかと思いますが、私達古美術商にはなくてはな

らない小道具の一つです。矢筈とは竹や棒の先に、二股の金具が付いて、さ

らにぞれの先端がU字になっています。何の為の道具かというと、踏み台を使わず

に掛け軸を掛ける為の道具です。

矢筈を右手で持ち、先端のU字型の部分に掛け軸の掛緒を引っ掛けます。

そして、左手で掛け軸を支え、掛け軸の掛緒の付いた矢筈の先端を、壁の掛

けたい金具の部分にひょいっと掛け、ゆっくりと掛け軸を下ろしていきます。

この矢筈、大体一メートル前後の長さのため、この矢筈さえあれば、背の低

い方でも踏み台なしで、自由自在に好きな位置に掛け軸を掛けられます。

掛け軸の取り外しに便利なこの一本、なくてはならないまさに古美術の名脇役

です。

■□■ご感想をお待ちしております!■□■

最後までお読みいただき有難うございました。
今回の編集は桑田郁子、中島洋平でした。

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