2004-11-12日本美術そうだったのか通信
Vol.26 ご無沙汰です《日本美術そうだったのか通信》

おはようございます。
アートオフィスJC 田中千秋です。

毎日発行と銘打ってはじめたにもかかわらず、この数週間は週一発行になっ
てしまっています。大変申し訳御座いません。

おんらいんぎゃらりいを開くための負荷は思いの外大きく、なかなか発行
の手間がとれずにおります。

そこで、本日はちょっと雑談を。

最近は、個人的に「なんでも鑑定団」を見るのが面白くなってきました。
というのも、毎週、従兄弟の田中大が安河内眞美さんに替わって、「鑑定士」
として出演しているからなのですが、彼は若いのに江戸から明治・現代まで、
殆どの古い掛軸なら全てわかるので、見ていても感心しています。

あの番組で「鑑定」することじたいは、準備時間もあるでしょうから、一般
論としては、なんとかなるかもしれません。

しかし、彼にしても私の父にしても、実はほぼ見た瞬間に鑑定・査定は可能
です。

父にしても、普段は、さっき会った人の名前も忘れる程度の記憶力なのです
が、作家の名前は、やはりそれで食べている関係上、忘れないようです。全
く膨大な数の作家が箱だけ見ても瞬時に分かってしまいます。

そうした能力のある書画商は、日本全国に、おそらく百名位はいるのでしょ
うが、総合的になんでも分かる人は案外少ないようです。つまり、いいもの
も悪いものもたくさん見る機会を持たなければならないわけで、そうした立
場を得るのにはある程度の運もあるからでしょう。

といっても、わかる範囲はそれぞれの美術商で違います。広く分かる人でも、
苦手な範囲は必ずあります。たとえば私どもでは、西洋絵画・陶器はあまり
分かりません。「マイセン」なんてさっぱり。

ところで、「鑑定団」に関しては、表に出ている方だけではなくて、裏方で
様々な人に協力を求めているのでしょう。このメールマガジンの読者様で、
研究者の方がいらっしゃるのですが、番組に協力を要請されたそうです。娯
楽番組ではありますが、案外真面目に取材している事が伺われて、人気番組
を作るためには、ちゃんと締めるところは締めて、名前が出なくても専門の
人に情報を求めているあたり、テレビも案外奥深い部分があるのではないで
しょうか。

実は、美術商のあいだでは、あの番組は俗っぽい、価格の根拠が分からない、
たまに(しばしば?)間違えている、など、どちらかというと評判が良くな
いのですが、でもまあ、やはり面白いのではないでしょうか。「価格」で価
値を判断する考え方じたいに憂慮する論調をどこか週刊誌のコラムか何かで
読みましたが、「価格」を知りたい、という人情は、それはそれで当たり前
のようにも思います。「日本美術応援団」の赤瀬川原平さんは、東京国立博
物館あたりでも、1ベンツ、2ベンツ、と表示したら面白いのに、という趣
旨の事を述べておられました。同感です。

ただ、あそこでの価格はあくまで「遊び」みたいなもので、絶対的なもので
は無いことは、知っておいてもいいように思います。そこでは実際の売買が
起きているわけではありませんので。

ところで、紳介の司会ぶりは最高でしたが、例の暴力事件で、謹慎になって
しまいましたね。残念です。かなりきわどいところまで出演者をいじくる彼
の芸風は、あの事件の後では洒落になりにくいので、他の番組も含めて、す
ぐに復帰は無理かもしれないですね。「たけし」が「フライデー殴り込み事
件」の後復活して、今や押しも押されぬ大監督になってしまったことは記憶
に新しい所なので、彼にもこのチャンスで大きくなって頂きたいものです。

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さて、おんらいんぎゃらりい秋華洞は、だいたいのシステムと文章は出来て、
商品をアップロード(登録)しているところです。手間がこれも案外かかる
のですが、みなさんに愛されるサイトを目指して、頑張っています。

どうか応援をお願いします!

本日は読んで下さいまして有難う御座います。
またお会いしましょう!

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