2010-04-30日本美術そうだったのか通信
『日本美術そうだったのか通信』Vol.214 ブームって不思議

2010/4/30発行

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もくじ
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・ご挨拶
・ゴールデンウィーク休業のお知らせ
・社長メッセコーナー:千秋のそうだったのかニュース
・カタログ23号「春」よりご紹介~ひっそりと愛される南画の重鎮
・ネットで愉しむ秋華洞…今週はお休みです

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■□■ ご挨拶 □■□■□■□■□■□■

 ファッションに流行があるように、美術品にも流行りやブームがあるようです。

 作品の良さが改めて認められて市場価値が高まることももちろんありますが、
経済情勢や現代人の心の変化など、作品自体の価値とは別のところで急激に評価
が変わる作品も多いよう。さらには、ファッション界にも“カリスマ”がいるよ
うに、特定の人物や集団によってブームが起こされていることも。

 時々自分の感じている「好き」が本当の気持ちなのか、疑ってみたくなること
があります。

さて、今週も社長・田中千秋のメッセージコーナーを筆頭に、内容もりだくさん
でお送りいたします。ぜひ最後までお付き合いください。

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■□■ ゴールデンウィーク休業のお知らせ □■□■□■□■□■□■

 誠に勝手ながら、秋華洞は5月2日~5日までゴールデンウィーク休業とさせて
いただきます。メール、FAXは24時間受け付けておりますが、詳しいお返
事は6日以降となりますので、ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご了承くださ
いませ。

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■□ 社長メッセコーナー:千秋のそうだったのかニュース ■□

 最近、ロータリークラブというものに入れていただきました。私どものあるお客
様のご紹介で、この銀座にゆかりのある会にデビューを果たしました。

 ロータリー、というものが本質的に何であって、実態としてどういうものなのか、
時間をかけなければわからないものだと思います。端的に言えば奉仕と親睦の為
のリーダー会、と言っていいでしょう。具体的には、さしあたって週に一回、決
まった曜日に、決まった会場で会食をする、というのが基本的な活動で、数度参
加させていただきました。

 式次第は、簡潔で、無駄がありません。ベルを鳴ならして始まり、事務報告が会
った後、ゲストのスピーチ(卓輪=テーブルトーク)が半時ほどあって、ベルが
また鳴って終了です。

 一回の会合で話を交わせる人はそう多くありません。ごく淡い交わりですが、長
い時間をかけて、人がつきあうのに必要十分な暖かみと仕組みを整えてこられた
事を感じさせます。

 ロータリークラブは日本全国、そして共産圏以外のほぼすべての国と地域にある
そうです。そして、どこの地域の会合に参加してもよいのです。他の国のロータ
リーに参加することは、とても得難い経験になるそうです。

 ふたつの事を考えました。ひとつめには、世界中で、人は本当に人と親交を結び
たいと本質的に願っている、と言うことです。そうでなければ、普通に考えて面
倒なこうした活動が、世界的に市民権を得るはずがありません。何か勇気づけら
れるような気がします。

 もうひとつは、一方で、こうした紳士倶楽部や、ホテルの会食を楽しめる事を、
当たり前のことと思わない事が大事ではないか、ということです。簡単なフルコー
スを毎週食べ、時にはゴルフを楽しむ。ロータリーの皆さんは、それぞれの会社
の社長さんが多いのですが、どんな人であれ、最初からこうしたくつろいだ世界
にいたわけではないでしょう。戦中、戦後の、食べ物も何もない極限状態を身を
もって経験された方も多いはず。こういう豊かな世界を作り上げるのに、泥をか
ぶって、何十年もかけて到達されているはずです。本当に何もない、屋根もない
ような生活をする覚悟やあるいは「実感」を知っていてこそ、紳士淑女の世界に
も奥行きが出るような気がします。

 ロータリーには上下関係はなく、40代の自分も、70代の先輩も、お互いに「君」
と呼び合うのが原則のようです。つまり皆等しく平等。私は目上の方に「君」と
呼びかけることは勿論無理ですが、一方で、どんなに「社長」「会長」と呼ばれ
る立場にあったとしても、それはかりそめのものだよ、偉いわけじゃないんだよ、
本当は何者でもなく、あなたは一個の人間に過ぎないのだよ、と互いに戒めてこ
そ、リーダーがつとまるということを知る知恵がその原則には働いているように
思いました。

 少し話は飛ぶかも知れませんが、三代で身上潰すとはよく言われることで、今の
政治家など見ているとそのいい例を思われる人がずいぶんおります。しかし一方
で、日本橋辺りには江戸のはじめから十何代、二十何代続いている老舗など有る
わけで、なにか本質的な知恵を受け継ぐと、つぶれるどころか発展する余地もあ
るのでしょう。そうした知恵と、ロータリーの考え方は、もしかしたらどこかで
繋がっているのでは、とも考えます。

田中千秋社長のブログ『丁稚ログ』
http://www.aojc.co.jp/blog/

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■□ カタログ23号「春」よりご紹介~ひっそりと愛される南画の重鎮~ ■□

 秋華洞では、現在カタログ24号の編集が進行中。今回は秋華洞お得意の掛軸に
加えて洋画も多数入荷し、かなり豪華なラインナップになりそうです。おたのし
みに。

さて、遅い遅い春がようやく訪れ、ちまたには青々とした若葉が目立つようにな
りました。今回はそんな今の時節にぴったりな掛軸2点をご紹介します。

小室翠雲(こむろ・すいうん)は明治7年に群馬県館林市で生まれました。呉服
商を営むかたわら、自ら山水花鳥を題材とした絵を手掛けた父親のもと、おさな
い頃から芸術に触れて育った彼は、10代後半で南画家・田崎草雲に入門します。

草雲の死後は独自に中国画の研究にはげみ、当時「つくね芋山水」と軽んじられ
評価を下げていた南画の復興に励みました。

“つくね芋”とは山芋のこと。「山芋に似た山岳」とまで言われた南画表現をひ
とり追求し、日本を代表する画家となった翠雲の努力と情熱は、その穏やかな画
風とは裏腹に確固たるものであったにちがいありません。

作品No.12『薬欄図』とNo.13『セン山樓観図』は、どちらも小室翠雲の素敵な賛
が入った掛軸。『薬欄図』には芍薬の花と小ぶりの蝶々が描かれ「春爛漫、芍薬
が美しく咲いているのに、どうして牡丹をうらやむことがあろうか」と、つぶや
きにも似た賛が添えられています。『セン山樓観図』は、縦長の軸いっぱいに描
かれた山水画に、この作品を手掛けたまさにその瞬間の翠雲の心境が綴られてい
ます。

昭和19年に帝室技芸員に選ばれながらもその翌年に亡くなったため、ブームとは
無縁のところでひっそりと一部の方々から愛されている小室翠雲。秋華洞おすす
め作家のひとりです。ぜひ実際にご覧になってみてください。

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掛軸の文字を読んでみよう!『入門 日本語の くずし字が読める本』 
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/fude/A100-007.html

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 近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
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よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
対応致します。

弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

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