2006-11-01日本美術そうだったのか通信
Vol.102 斎藤真一特集

□■□■  「日本美術そうだったのか通信」 Vol.102
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もくじ
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・イヤマ(旧姓)のご挨拶
・今週のミニ特集:斎藤真一
・新入荷作品
・365日懸賞
・斎藤真一展駄目押し
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メルマガをご覧の皆様、ご無沙汰しております。また、初めてお目にかかる
方、はじめまして。芹澤(旧姓イヤマ)と申します。現在わたしは育児のため
お休みをいただいておりまして、完全な復職はしばらく先になる見通しです
が、まずはメルマガ上での復帰でございます。

改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。

では、さっそく本題に入ります。

■■斎藤真一特集■■

当画廊で行っていた、斎藤真一展。10月末までの予定でしたが、好評につ
き、もう少し展示は行っております。おそらく11月中旬くらいまではやっ
ておりますので、よろしければ遊びにいらして下さい。

さて、そういうわけで、斉藤真一作品をこのところ立て続けに入荷しており
まして、「おんらいんぎゃらりい」でも次々紹介して参りました。
つい先日アップしたのは下記の作品です。

『吹雪の日』/板・油彩・額装
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/SAITO_SHINICHI/A06-1178.html

洋画家:斉藤真一の名を聞き真っ先に思い浮かぶのは、毒々しいまでの
赤色と、暗さを秘めた女性達の表情ではないでしょうか。観る者に強烈な
インパクトを与える彼の画には、業(ごう)にも似たうねりが感じられます。

その筆致の原点は一体どこにあるのでしょう。

1922(大正11)年、岡山に生まれた斉藤は、東京美術学校卒業後、美術
教師の職に就きます。そののちフランスに渡り、ドイツ、オランダ、ベルギー、
ナポリ等の国々を原付バイクで移動し制作と放浪の生活を送って帰国。

滞欧中に親交を深めた藤田嗣治の勧めで東北・北陸地方を訪れたことが
きっかけとなり、40歳頃からの彼は盲目の女性の描写に没頭します。今
では彼の代名詞ともなった「瞽女」たちとの出会いでした。

※瞽女…ごぜ。語源は「盲御前」。三味線等を弾き、唄を唄いながら旅する
盲目の女性旅芸人。

それから約10年間、斉藤は瞽女を取材すべく、越後の地に通い続けます。
50歳を目前に18年間勤めた伊東高校を退職し、画業と文筆業に更なる
力を注いだ彼は、『星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)』で第14回安井
賞佳作賞を受賞。以後、『越後瞽女日記』や『瞽女=盲目の旅芸人』『津軽
じょんから―瞽女日記』 『絵日記瞽女を訪ねて』等、瞽女に関する書を多数
上梓します。

時は流れて、晩年。斉藤は、遊郭や遊女の研究にも力を入れます。のちに
映画化される『吉原炎上』の原作『絵草紙・吉原炎上』は、斉藤の祖母であり
花魁の「紫」をモデルであると言われています。

斉藤は、多くの女性たちを描き続けました。その画の中に生きる女性たちが、
いずれも憂いを帯びた表情をしていること、そして、静けさの中に底知れぬ
生のエネルギーを有しているのは、彼の祖母の存在と無縁ではないように
思えます。

瞽女、花魁…。表現者としての斉藤真一の半生は、波乱の中に生きる女性に
惹かれ続けた日々であったのではないでしょうか。

斉藤の作品に、いわゆる「分かりやすい美しさ」はありません。しかし、そこには
人間が内包する苦悩や哀しみ、そしてある種の潔さが感じられます。彼の作品
を観るとき私たちは、静寂の中に凛と生きる理想の自分をその画の中に投影
しているのかもしれません。

最後に、生前の斉藤が、ある美術館に手向けた言葉を引用し、今回のお話しを
終えたいと思います。お読みいただきありがとうございました。(文中、敬称略)

「人間は、哀しみを抱えて生きている。
素朴にものを見つめると、
この世に存在するということすら
涙するほど愛しいものです。
花は傷つき散って行くが故に美しいのだと想います。
私は絵かきだが、表面だけの奇麗事より、生命の哀しさと喜び、
そして、尊さを一歩でも掘り下げて内なるものを見たいと何時も思っています。」

財団法人出羽桜美術館分館「斎藤真一心の美術館」より
http://www.dewazakura.co.jp/saito.htm

※どうぞこちらもご覧ください。〔おんらいんぎゃらりい 斉藤真一作品一覧〕
http://www.syukado.jp/jp/search/item/artist/yo_b/SAITO_SHINICHI.html

その他の新入荷作品

望月春江『枇杷(びわ)』/紙本着色・額装
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/MOCHIDUKI_SYUNKO/A06-1224.html

須田剋太『しだれ桜』/キャンバス・油彩・額装
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/SUDA_KOKUTA/A06-1222.html

同『十二支卯年』/紙・グワッシュ
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/SUDA_KOKUTA/A06-1228.html

酒井三良『河童』/紙本着色・軸装
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/SAKAISANRYOU/A06-1232.html

同『霜晨(そうしん・しものあさ)』/紙本着色・軸装
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/SAKAISANRYOU/A06-1231.html

宇田荻邨『晴秋』/紙本着色・軸装
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/UDA_TEKISON/A06-1227.html

中村岳陵『羽根』/紙本着色・額装
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/NAKAMURA_GAKURYO/A06-1226.html

東郷青児『青い花』/キャンバス・油彩・額装
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/TOUGO_SEIJI/A06-1249.html

■□■□■□365日懸賞のお知らせ「11月2日より開始」■□■□■□
http://www.syukado.jp/365/index.html
365日懸賞、再開しました!今回のプレゼントはなんと「東郷青児」。

少々時間があいてしまいましたが、365日懸賞を再開しました。365日懸
賞では、ほぼ毎日、現金一万円か、参加各店が提供する賞品が当たります!

毎回たくさんのご応募を頂き、担当者はうれしい悲鳴をあげながら当選者を
決定しております。(ありがたいことです)

今回の賞品は男の泣き顔を描いた東郷青児作の異色の版画。どなたのお手元
に届きますやら。応募期間は11月2日から11月16日です、ふるってご参加く
ださい。
http://www.syukado.jp/365/index.html
開始:11/2 締め切り11/16  参加無料

☆ちなみに東郷青児はメルヘンチックな女性像で一世を風靡し、いまもなお
根強い人気を誇っています。その肉筆画は「おんらいんぎゃらりい」上でも
ご紹介しております。下記のリンクをご覧下さい。
http://www.syukado.jp/jp/search/item/artist/yo_b/TOUGO_SEIJI.html

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最後までお読みいただき有り難うございました。

来週もどうぞよろしくお願いします!

—-最後に—-
「ぎゃらりい秋華洞」でのひそやかな『斎藤真一』展もよろしくお願いしま
す。。すごくイイです。

「ぎゃらりい秋華洞」への地図はこちらです。
http://www.syukado.jp/jp/support/guide/guide.html
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近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
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弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
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