「自然って美しい。」
日本人の生活にとって深い関わりのある海や川の生き物は、昔から掛け軸や浮世絵にも描かれています。写真を凌駕するかのような細密な杉浦千里の博物画も展示。描かれた造形美をお楽しみ下さい。
「自然って美しい。」
日本人の生活にとって深い関わりのある海や川の生き物は、昔から掛け軸や浮世絵にも描かれています。写真を凌駕するかのような細密な杉浦千里の博物画も展示。描かれた造形美をお楽しみ下さい。
展覧会情報
会期2017年7月11日(火)〜18日(火)
会場ぎゃらりい秋華洞
時間10:00〜18:00
備考会期中無休 入場無料
毛利梅園「鮒図」
毛利梅園「鮒図」
毛利梅園「鮒図」
毛利 梅園(もうり ばいえん)
寛永10(1798)江戸~嘉永4(1851) 旗本、博物家。名は元寿。別号に楳園、写生斎など。幕臣で御書院番を務める。動植物、菌類に関心を持ち、克明な写生図を手がけた。その作業は先進的であり、実物の採集、写生に自ら取り組み、日時、採集地等を記録した。代表作《梅園画譜》は江戸の動植物相を後世に伝える資料として評価される。
大野麦風「大日本魚類画集 ホオボオ」
大野麦風「大日本魚類画集 ホオボオ」
大野麦風「大日本魚類画集 ホオボオ」

『大日本魚類画集』は大野麦風が原画を担当し、1937年に西宮書院から出版された。会員制度で頒布されたこの500部限定の木版画集は、1944年まで各回12点、6期に分けて断続的に刊行され、1944年まで合計72点を発行した。鮮やかな魚体の色を木版で表現するために版木を数多く使用し何十にも色を重ねて摺るという「原色木版二百度手摺り」といわれる方法で製作されており、麦風のみならず彫師、摺師の熱意と努力も凝縮されている。

大野 麦風(おおの ばくふう)
おおの・ばくふう 明治21(1888)東京~昭和51(1976) 画家。長原孝太郎のもとで洋画を学び、太平洋画会、白馬会で活躍。のち日本画に転向し、第1回帝国美術院展覧会で入選。魚の生態観察、描写に優れる。代表作『大日本魚類画集』では原画を担当し、「原色木版二百度手摺り」と謳われる色鮮やかな木版画を手掛けた。
広重「魚づくし 鮎」
広重「魚づくし 鮎」
広重「魚づくし 鮎」

名所絵 で成功をおさめた 広重 が続いて取り組んだのは、草木や鳥、虫や魚などを描く花鳥版画の分野であった。『 魚づくし 』と呼ばれる本作品は、もともと 摺物 (狂歌・俳句・暦などに絵を添えて摺ったもの)として出版された、全20枚からなる揃いものの中の一枚である。広重 の絵とともに複数の人物の狂歌讃が添えられているのが特徴。

歌川 広重(うたがわ ひろしげ)
寛政9(1797)~安政5(1858)
浮世絵師。歌川豊広に師事。透視図法を取り込んだ巧みな画面構成、遠近の対比などによって描かれた名所絵は海外でも高い人気を誇る。代表作に《東海道五十三次》《東都名所》《名所江戸百景》等。
「貝千種」平瀬 與一郎 編
「貝千種」平瀬 與一郎 編
「貝千種」平瀬 與一郎 編

民間の貝類研究家。1907年(明治40)年に貝類学専門月刊誌「介類雑誌」を自費で刊行、1913年(大正二)年には京都に平瀬貝類博物館を開館。「貝千種」四冊には多色刷木版技法を用いた約100種類の貝を掲載。彼の名を記念して hirasei や hiraseanaと名付けられている貝類も数多い。

杉浦千里「ニシキエビ」
杉浦千里「ニシキエビ」
杉浦千里「ニシキエビ」

杉浦千里(すぎうらちさと)1962-2001 神奈川県横浜市生まれ。中学卒業後、高校に進学せずに日本美術学校の日本画科で学ぶ。その後円谷プロのデザインコンテンストでの入賞を機に、ウルトラシリーズのキャラクターデザインに携わる。一方で魚類図鑑の挿絵を担当したことをきっかけに、博物画の世界に入る。アクリル絵の具やエアーブラシュ等を使い、生物学的に正確でなおかつ美しい独自の博物画の世界を確立する。生体の記録写真のほか、自ら標本を作りそれを再現した。作品集に「美しきエビとカニの世界 杉浦千里博物画図鑑」(成山堂書店)がある。