岡本東子個展「瞑色の夜にうまれ」
2024年12月6日(金)〜14日(土)
こんばんわ。アートオフィスJC 田中千秋です。 ロシアのテロリズム、非道いですね。500人近くの犠牲者が出た とか。 一方、プーチンは「テロとの戦いには断固として結束するしかな い」とのこと。 ブッシュも、シャロンも同じように使うキーワードですが、違和 感を覚えませんか?テロの「原因」は、どこなんでしょうか。指導 者には、「原因」がないんでしょうか。 それにしても、プーチンの顔は、冷たい顔ですね。チェチェン他、 「異分子」と交渉する、抱き込む、ような包容力が無いことは明白 だと思います。飲んだくれのエリツィンといい、ロシアには人材が 不足しているのでしょうか。 いや、ロシアに限らず、ブッシュにも小泉さんにも感じますが、 世界の指導者の「顔」から「寛容さ」が失われてきているような気 がします。あなたはどう思いますか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 「日本美術そうだったのか通信」 □□■□ --新米画商の今日もよろめ記-- Vol. 3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行 有限会社アートオフィスJC http://k.c.combzmail.jp/t/5g7y/si01dljsjfsr7603 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今日の一幅 小杉放菴『早春』 http://k.c.cbz.jp/t/5g7y/si01dmjsjfsr7603 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 放菴は、すごく素敵な作家なんです。 そのことを、もう少し多くの人に知って頂きたいと思っておりま す。理屈、来歴は後ほど述べますが。 とにかく、絵がいいです。 のびやかで、おおらかで、虚飾がないにもかかわらず、ものすごく 上手いのです。 花鳥画など素晴らしいですが、とくに有名なのは「金太郎」の画題 でしょう。熊にまたがって楽しそうに微笑むわんぱくな金太郎のモ デルは息子さんだと聞いたことがあります。 子供の画題は好きだったようで、晩年、越後赤倉の終の棲家で過ご す折りには、よく近隣の小学校で子供の様子をじいっと眺めていた そうです。 昭和30年「おどる良寛」は踊る良寛和尚の周りを四人の子供が踊 る姿の円窓の作品ですが、これも、ものすごく素敵なものです。 小杉放菴は明治14年栃木県に生まれました。 最初は洋画家として「小杉未醒」を名乗ります。この理由もふるっ ています。 以下画集(日本経済新聞社)掲載からの引用。(著作からの孫引き) 「私は師匠(五百城文哉)のもとで勉強しながら、小遣いかせぎに水 彩で日光の風景などを描いた。 外人の観光みやげとして結構売れたからである。 そして、いくらか金がはいると、酒をたしなまない師匠に内緒で、 飲み屋遊びをいつとはなしに覚えてしまった。 やがて、師匠にたしなめられた。だが私はいっこうに反省せず、 その上、未ダ醒メズとレジスタントして「未醒」と名乗った。 破門である。」 そのご次々に文展に入選し、洋画家として順風満帆でしたが、大正 二年渡欧中に180度方向転換、日本画家としての道を歩み始めま す。 曰く(同上引用) 「巴里から帰った時に、私の画業も日本に帰った。ルウブル見学で くたびれて、西欧芸術と私とは体質的に一致しないと思った。あり がたいことに帰るべき故郷日本の芸術があると思った。」 その後は南画の伝統をふまえた水墨画、花鳥画などに没入していき ます。南画・文人画というと私など「ヘタウマ」といいますか、い わゆるデッサンを無視した系譜を思うのですが、放菴の「南画」は 極めて精緻で、そのくせ肩の力が抜けているのです。 足し算と引き算の絶妙なバランス。 そして「寛容」な美しさ。 晩年、放菴は越後(新潟県)赤倉の居を構え、仙人のような暮らし をしたと聞いています。そして昭和39年に亡くなりました。 赤倉時代の昭和30年頃、私の祖父が営んでいた通販専門の「思 文閣古書店」には時々、赤倉の放菴から古書注文のはがきが来たそ うです。 父・田中自知郎に、祖父が「これはエライ絵描きさんの注文なん だよ」と見せてくれたはがきに、小さな字がビッシリかきこまれて いたとのこと。 本日ご紹介する一幅(掛軸は幅と数えます)は、短歌の画賛が入っ た文人画的構成のものです。沢の流れに向かって、一匹の兎が降り ていきます。 昭和33年「童話」という画題で、金太郎と兎が共に崖を飛び移 る図がありますが、あの「兎」がここでは一匹登場してるのかな、 金太郎が画面のむこうに隠れてるのかな、と楽しい想像がふくらみ ます。(一度汚れを落としたのか、やや墨色が薄くなっています) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ http://k.c.combzmail.jp/t/5g7y/si01dnjsjfsr7603 小杉放菴『早春』 昭和27年作 紙本・淡彩 軸装 本紙 37x49 cm 表装125x60 cm サインなど 落款・印・共箱 価格 500,000円 ※お買い得です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 参考1:小杉放菴記念日光美術館 http://www.kanayahotel.co.jp/nikko/hoan/old/index30.html 参考2:小林秀雄「小杉放菴論」 http://gaku2003.hp.infoseek.co.jp/CHIHEI/OGUMA/GARON/GARON-16.html ちょっと旧いキーワードですがまさに「癒し」系の放菴。どうかあ なたもお見知りおきを。 そして、世界に、「寛容」の精神が拡がる事を祈りたいものです。 ★★おまけニュースもういっかい 今日火曜日放送の「なんでも鑑定団」に、私の従兄弟、思文閣・田 中大代表が出演します。 ちょうどこのメールと時を同じく初出演ですが、いかなる具合にな りますか? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− アートオフィスJC販売作品リスト http://k.c.cbz.jp/t/5g7y/si01dqjsjfsr7603 美術品無料査定・買取致します。 http://k.c.cbz.jp/t/5g7y/si01drjsjfsr7603 「絵画・掛軸鑑定マニュアル」ご請求 http://k.c.combzmail.jp/t/5g7y/si01dsjsjfsr7603 カタログ請求はこちら http://k.c.cbz.jp/t/5g7y/si01dtjsjfsr7603 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行 有限会社アートオフィスJC http://k.c.cbz.jp/t/5g7y/si01dujsjfsr7603