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作品解説
大正末期から昭和初期にかけて、栖鳳円熟期の作品であろう。写実を第一にして京都画壇・帝展の大御所となった栖鳳は西欧、中国への旅行を経て徐々に自由な色彩表現へと移行していく。本作も明治25年に描かれた富士山図と比較してより鮮やかな色彩であり、山頂を切り取った大胆な構図と一切の墨線を持たないのが特徴的だ。線から色へ。山肌の朝日を浴びて輝く曙色と夏富士らしい青色の対比が心を揺さぶる。
竹内 栖鳳(たけうち せいほう)
たけうち・せいほう 元治元(1864)京都~昭和17(1942)神奈川 日本画家。本名恒吉。幸野楳嶺の元で絵を学び、のちに京都府画学校(現:京都市立芸術大学)に入学。卒業後は京都市立美術工芸学校(現:京都市立芸術大学)の教諭となり、一方で受賞を重ねる。京都画壇の伝統を継承し、古典からモダンな画題まで幅広く描き、また多数の逸材も育成した。文展審査員、文化勲章受章。
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