「臥裸婦」
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サイズ45.8×52.8(68.0×75.8)cm
素材キャンバスに油彩
備考額装
画中にサイン、キャンバス裏にサイン
日本洋画商協同組合鑑定登録証書
本体10号
作品番号A2-94-523
タグ#裸婦
作品解説
一面の深い赤を背景に、力強くもしなやかな黒の輪郭線によって横たわる裸体が平面的に描き出された本作。幾何学的なキュビズムの形態へと移行する以前の、マティスという強大な師へ向けた深い敬愛の念を湛えた一枚である。しかしながら猪熊は、マティスを技巧によって追従するのではなく、自身の表現を試みるため、最大の慈しみと敬虔な心をもって描く対象に臨んだ。鋭い眼差しでこちらを見つめる女性は、美しさのみならず内面の強靭さまでが写し取られ、猪熊は画中に精神性という奥行きまでも塗り込めたのである。
猪熊 弦一郎(いのくま げんいちろう)
明治35(1902)香川~平成5(1993)東京 洋画家。本名玄一郎。旧制丸亀中学校(現:香川県立丸亀高等学校)卒業後、上京し本郷洋画研究所に通ったのち、東京美術学校(現:東京芸術大学)洋画科に入学。藤島武二に師事し、在学中に帝展への入選を果たすも中退。戦時を挟んだ渡仏・渡米のなかで国際展への出品が続き、高い評価を得る。のちニューヨークやハワイに拠点を移し、独自の抽象表現的作風を確立。挿絵やデザインのほか、壁画などの公共事業も数多く手掛けた。丸亀市に猪熊弦一郎現代美術館がある。
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