着物の​文様​には様々な意味や願い事が隠されています。また、​「蔵が建つ」ほどの遊女の豪華な簪や、さりげなく化粧品の広告が描かれている浮世絵も。
今回​の秋華洞の展覧会は​和装小物を扱う「銀座かなめ屋」、呉服屋の「銀座いせよし」が解説、展示で参加​する​銀座の3店​の​コラボ​企画です。​古い和装小物の展示も。​新春は銀座で着物文化をお楽しみください。​
着物の​文様​には様々な意味や願い事が隠されています。また、​「蔵が建つ」ほどの遊女の豪華な簪や、さりげなく化粧品の広告が描かれている浮世絵も。
今回​の秋華洞の展覧会は​和装小物を扱う「銀座かなめ屋」、呉服屋の「銀座いせよし」が解説、展示で参加​する​銀座の3店​の​コラボ​企画です。​古い和装小物の展示も。​新春は銀座で着物文化をお楽しみください。​
展覧会情報
展覧会キモノ美人【終了しました】
会期2017年1月20日(金)〜27日(金)
会場ぎゃらりい秋華洞
時間10:00〜18:00
備考会期中無休 入場無料
着物の柄やかんざしに注目
国周「梅幸百種 お半」
国周「梅幸百種 お半」
国周「梅幸百種 お半」

▼ 着用かんざし
・銀びらかんざし
・銀、または象牙、動物の骨を用いた花飾りかんざし
・べっ甲、または象牙、木台飾り櫛。
・飾り紐、かのこ

かんざし豆知識
銀製の平打ちかんざしの円形部に、下げビラを添えた、通称びらかんざし(びらびらかんざし)といいます。
ところで、櫛はどのようなかんざしかお分かりの方でも、平打ちかんざしとはどういうものかお分かりにならない方も多いのではないでしょうか。
通常櫛と一緒にお挿しになる、古典的なかんざしのひとつですが、一本足(または二本足)に、立体的な花飾りや珊瑚玉を装飾に添えたたかんざしなどとは違い、平たい円状(ほかの形状もあります)の飾りが付いたかんざしです。その平たい形状から、「平打ち」という名前が付いたと言われています。基本的には頭の後ろ側に結った髪に挿します。
江戸時代後期頃、平たい飾り部分に、武家の女性なら自家の家紋を模ったり、芸者の間では自分の紋ではなく、貞節を誓う想い人の家紋を入れるのが流行したとも言われています。 (解説:銀座かなめ屋)

豊国Ⅲ(国貞)「美人画」
豊国Ⅲ(国貞)「美人画」
豊国Ⅲ(国貞)「美人画」

「赤地市松にかまわぬ」。着物は「蝙蝠」の型染め。帯は縞に菱格子。半幅帯でしょうか。 手拭いは「瓢箪手」

文様豆知識
かまわぬは「鎌」と「輪」と「ぬ」とを組み合わせたいわゆる判じ絵の模様。もともとあった柄ですが、七代目市川團十郎が、「累 (かさね)」の与右衛門で使ったため流行しました。
蝙蝠は現代の日本では不気味なイメージがあるかもしれませんが、中国では「蝠」と「福」が同音のため富貴の象徴とされ、市川家では家の印の一つとなっています。七代目の團十郎が舞台衣装などではやらせたと言われていて、実際に七代目が使った蝙蝠のデザインの煙草入れも残っています。
種が多く、子孫繁栄の意味があるひょうたんも同じく七代目が流行らせたものです。
この女性はそれぞれの柄の着物や小物を身に着けており、かなりの成田屋(市川團十郎家)びいきのようです。(解説:いせよし・秋華洞)

国周「東京自慢名物会 竹本長廣」
国周「東京自慢名物会 竹本長廣」
国周「東京自慢名物会 竹本長廣」

明治29年から30年にかけての作品。100枚以上の揃いで上段に賛を添えた名店の紹介、下段左に名所やその場所の名物からヒントを得た見立て模様、下段右に芸妓や女芸人の半身像が描かれています。

銀座を着物の柄にすると?
左の見立て模様は銀座友禅。煉瓦模様と雪芝紋(芝やススキにうっすらと雪がかぶった様子を表現した模様)雪華文入り雪輪文様を配しています。明治5年に官営で建てられたレンガ造りの建物が並ぶ銀座通りを表しています。雪輪文様は当時モダンだったガラスをあらわしているのでしょうか?

キモノ美人の展示でご協力いただいたお店
銀座かなめ屋
銀座かなめ屋店主 柴田光治さん
銀座かなめ屋店主 柴田光治さん

店主の柴田光治氏は三代目。社長ブログも人気。
1934年創業、頭の先からお足元に至るまで、和装小物全般を取り扱う和装小物の専門店。特に着物姿の”要”となります、かんざし、髪飾り、帯留、そしてべっ甲製品の品揃えは、礼装用から普段使いまで銀座で一番の品揃えです。 「鶴は千年、亀は万年」古来より縁起物として、広く祝事に尊ばれてきたべっ甲。本物のかんざしをお探しの方、また和装小物でお困りの方はどうぞお気軽にお立ち寄り頂ければ幸いです。

東京都中央区銀座8丁目7番18号 03-3571-1715
銀座かなめ屋

銀座いせよし
銀座いせよし店主 千谷美恵さん
銀座いせよし店主 千谷美恵さん

店主は明治元年に新川にて創業、明治11年から日本橋で商いをした「伊勢由」の三女として生まれた千谷美恵さん。幼い頃から着物に親しみ、アメリカの金融シティバンク勤務したことが、日本文化の良さを再認識する一助となり、実家の家業を継ぐことになりました。その後先祖の意志を継いで古くからある暖簾を守りたいという気持ちが強く独立、銀座いせよしでは独自にデザインした着物や帯、選別した品物を取り揃え、着方や組み合わせのアドバイスもしています。

東京都中央区銀座8-10-3銀座三鈴ビル6階 03-6228-5875
銀座いせよし